民間の小型ロケット「カイロス」が和歌山県で打ち上げられました。しかし、直後に「飛行中断」。打ち上げは失敗しました。

■「われわれは感動をもらった」 打ち上げ失敗も3号機に挑戦する考え

和歌山県串本町には、その瞬間を一目見ようと朝から多くの人が集まりました。

宇宙ベンチャーのスペースワン社が開発した小型ロケット「カイロス」。

国内初となる民間単独での衛星の軌道投入をめざし、2024年3月に初号機を発射。しかし、打ち上げ直後に爆発という結果になりました。

それから9か月。改良を加えた2号機は、風の影響による2度の延期を経て、12月18日午前11時、発射のときを迎えました。

カイロス2号機は空に向かって飛び出していきます。

見に来た人
「はやすぎて、みえなかった」

しかし、ロケットは大きく旋回。スペースワンによると、「ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置」が取られたということです。

見に来た人
「残念だった」
「いままでは上がらなかったですからね。上まで行きましたので、また次、頑張ってほしいと思います」
「(成功)ではないけど、われわれは感動をもらいました。今度こそは宇宙へ行ってほしいですね」

スペースワン 豊田正和 社長(18日午後2時半ごろ)
「この結果を前向きにとらえて、次の挑戦に臨みたいと考えております」

スペースワンは会見で「ロケットの姿勢が乱れて進路が大きくずれたため飛行を中断したとみられる」と説明しました。

すでに立ち上げた対策本部で原因を究明し、3号機に挑戦する考えです。

■2号機に搭載 世界初の“宇宙寺院”とは

井上貴博キャスター:
安全を確保しつつも、国際競争が激しくなる中でコストダウンも図らなければならないという難しい挑戦が続いています。

宇宙ベンチャー企業「スペースワン」は、人工衛星を軌道投入する宇宙配達便をめざし、今回の2号機には、人工衛星5基を搭載していました。

その中の一つが、世界で初めての取り組みを行おうとしていました。

宇宙寺院「浄天院 劫蘊寺」として、仏像「大日如来」が奉られているものです。

約1時間半で地球を1周するそうです。今後、アプリも開発して、アプリで位置情報を確認しながら、国境・性別・国籍などを越えて、全世界で祈りを捧げられるものにしようという取り組みです。

ホラン千秋キャスター:
今回、残念ながら、途中で「飛行中断措置」が取られたということでしたが、見ていた人は「前回は飛ばなかったけど、今回は飛んだから」など、失敗ばかりを責めるというよりかは、そこまで成功したというチャレンジを褒めたたえたいという気がしますね。

井上キャスター:
地球上の宇宙ビジネスにも繋がっていくと思いますし、これが失敗ではなく成功への途中経過というわけです。

まずは原因究明、再発防止策、顧客への説明です。そして、なるべく早く3号機の打ち上げをめざすということです。

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