活字離れが指摘されるなか、たくさんの本を読んでほしいと、山口県の中学校で司書や生徒が、地域も巻き込んで、読書をすすめる取り組みをしています。文科省の表彰も受けた取り組みを取材しました。
SNSだと罪悪感が 感受性を豊かにしたい 読書の理由はさまざま
中学3年生
「1か月に1冊くらいは読んでいます。理由は自分の感受性を豊かにしたいからですね」
中学3年生
「あんまり読んでないですかね。やっぱり読んだ方が自分の中でも結構学びがあったりするのかなと思ったりしているので、読みたいなとかは思っています」
双子だというこの2人、読書習慣は違うようです。
20代大学生
「結構なんでも読みますけど、最近、村上春樹好きなのでちょっと読んでますね。(時間を費やすなら)アプリとかSNSだと罪悪感が生まれるんで、そうなったときに時間潰すために本読もうかなって思って読み始めましたね」
1か月に10冊以上本を読むこともあるそうです。
60代
「最近読んでないですね。若い頃は読んでましたけど、やっぱり目が悪くなって」
年を重ねて読書から離れてしまいました。
多いときには1か月に5冊の本を読むという小学生は
小学6年生
「読書のいいところはいろんなジャンルがあるからどんな人でも楽しく読めるのがいいと思います」
読書家も、そうでない人も、いろいろいろですが、まちで聞くと、子どもほど、よく本を読んでいる傾向がありました。子どもの読書量と大人の読書量、どうして差があるのでしょうか。
図書館に来る生徒が倍増 朝の読書も
山口市の大殿中学校。昨年度、「子供の読書活動優秀実践校」に選ばれました。
子どもが積極的に読書をする意欲を高めるために、特色ある優れた活動を実践している学校や図書館を表彰する文部科学省の制度です。
図書館を司書と一緒に運営しているのが生徒による図書・広報委員会です。
大殿中学校3年図書・広報委員長 則近悠真さん
「図書室での貸し出しの手続きとか、おすすめの本の紹介の記事を書いたり、図書室に呼び込んだりする仕事をしています。図書館は昼休みの時間だけ開いてるんですけど、図書館に来る生徒がそのときに20何人だったのが一時期40何人とか増えたので」
委員会の地道な活動で図書館にやって来る生徒は倍増したそうです。学校全体の取り組みとしても読書の時間が設けられています。
大殿中学校3年 小田村由稀 生徒会長
「毎朝、朝読書を行っていて、10分から15分間ぐらい全校生徒が一斉に読書するようにしています。みんなが静かに読書をするので、生活の中でもしっかり落ち着いて朝から過ごすことができるようになったなと思います。
なぜ?大人は本離れ、子どもの読書はすすむ
文化庁が16歳以上の男女、6000人を対象に行った「国語に関する世論調査」によると、1か月に1冊も本を読まない人の割合は62.6%にものぼります。ほぼ3人に2人のおとなには読書習慣がないといえます。全国的に進む書店の減少やスマートフォンの普及が影響しているとみられます。
一方で、今年、全国学校図書館協議会が小、中、高校生約1万人を対象に行った学校読書調査では小中学生の1か月の読書量はこの30年で倍以上に増えました。」
1か月あたりに読む本の平均冊数は小学生で6.4冊から13.8冊に、中学生が1.9冊から4.1冊に増えています。
それを支えているのが大殿中学校のような学校などの取り組みです。大殿中学校では、図書館に足を運びたくなるような工夫も施しています。
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