車いすで全国を回る北海道札幌市の女性がいます。
交通事故で余儀なくされた車いす生活…そんな中でみつけたのが、47都道府県制覇という目標でした。
今回、兵庫県をスタート・ゴールに、中国地方一周にチャレンジ。
その途中、島根県横断の様子を取材しました。
出雲市内の海沿いの道を車いすで進むひとりの女性、札幌市からやってきた中環(なか・たまき)さん、52歳です。
中環さん(52)
「まさか本当にここまで来れると思ってなかった。せっかくだから、あと一週間、がんばらないと。」
中さんは、2021年に車いすで47都道府県制覇という大きなチャンレジをスタート。
最初に沖縄県一周を達成すると、翌年には四国、そして去年、九州一周を達成。
今回、兵庫県と中国地方5県をおよそ1ヶ月かけて一周する1178キロの行程に挑戦しています。
札幌市在住 中環さん
「交通事故で首のけい椎が悪くなったらしくて、左側がまひ。左手は曲がらず、グーができない」
15年前、37歳の時、車で信号待ちをしていたところ追突事故に遭い、左半身にまひが残りました。
そこから始まった車いす生活。
絶望し、引きこもる日々が1年ほど続く中、ある日、鏡に写った自分の顔を見て我に返ったといいます。
中環さん
「無気力でいたときに、洗面台の鏡をみたら、すごい汚い"おばあさん"が映っちゃって。子どもたちがかわいそすぎると思って、引きこもってばかりでなくて外に出ようって」
そこで始めた、車いすでの47都道府県制覇への挑戦。
今回は10月8日にスタートし、27日に島根県入り。
4日かけて出雲市までやってきました。
「こういう道は、前のタイヤが取られるから危ない。目が離せない。」
安全を確認しながら道を選び、時に引き返し、進むルートを決めます。
1時間におよそ5キロ、1日、30キロから40キロのペースで進みます。
中環さん
Q.右手の指が黒くなっているのは?
「これは、ブレーキをかけるから。左手がちょっとまひしてるから、左手ではあまり操作できない。右手の中指で方向転換するから、どうしてもここが、すぐ破れてしまう」
過酷な挑戦を続ける中さん。
自分への挑戦とともに、そこにはもうひとつの理由があります。
中環さん
「沖縄一周から始めたけど、ずっと、皆さんからいただくジュース代とか、振り込んでいただくお金とかは、スタートからゴールまでの分は全部、(車いすで)チャレンジしたいと思っている子どもの送迎代とか欠損しているグローブとか、引退した補助犬のベッドとか。皆さんからお預かりしたものは全部寄付している」
自分に寄せられる支援を、次の誰かの挑戦につなげたい。
また、12年間ともに過ごし、今年7月に亡くなった介助犬「ファーガス」への感謝も思いも背負って、中さんは挑戦を続けています。
中さんの挑戦には、交代でサポーターが着きます。
島根県内を移動中は、愛媛県今治市からやってきた女性がサポートしました。
サポーター 久保田茜さん
「洗濯をしたり、泊まるところを探したり、トイレを探したりというところを主にやっています」
今シーズン、一番の冷え込みとなったこの日。
中さんは、体を温めながらスタートを切りました。
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