いま北海道の馬産地、日高ならではの誘客の取り組み“うまてなし”が、注目を集めています。
13日朝、浦河町の菓子店にずらりと並んでいたのは、コッペパン。中には溢れんばかりのホイップクリームが。
チョコレートで目を描けば…SNSで大反響の「うまコッペ」の出来上がりです。
牧場では、引退した競走馬とネコのコンビが大活躍。
馬産地だからできる“うまてなし”を「もうひとホリ」します。
・梅月堂手取商店
坂井ゆみ社長「きょうは500頭分用意しました」
10月に新ひだか町で開かれたイベントで用意されたのは、馬の顔の形をしたコッペパンです。販売開始前からこの行列。520個が、わずか3時間で完売しました。
・客
「壮瞥町から朝4時半に出てきました」
「見て見て。すごい」
「かわいい、食べるのがもったいない」
「うまコッペ」のモデルは、町内のホテルで飼育されている元競走馬です。
・うらかわ優駿ビレッジ アエル 太田篤志さん
「実際のコッペパンと同じような顔になっている。オウケンブルースリという名前」
「うまコッペ」と並べてみると、まさにうり二つ。きっかけは、ファンのコメントでした。
・うらかわ優駿ビレッジ アエル 太田篤志さん
「正面から客が写真を撮り、SNSに上がるなかでコメントの一つにクリームがたっぷり挟んだコッペパンみたいという人がいて」
9月にイベント限定で販売したところ、SNS上で大人気に。「うまコッペ」を作った菓子店は、経営難のため店を閉じることも考えていましたが…
・梅月堂手取商店 坂井ゆみ社長
「まさかここまでの盛り上がりになるとは(思わなかった)当店に(馬をお菓子にする)アイディアがなかった。これを機会に(売り上げの一部を)引退馬支援に」
牧場ロング新冠町にある牧場でも、引退した競走馬が活躍中。こちらはウマですが…
「ネコパンチです。名前が人気だった」
仲良しなのが、4年前のある日、突然現れたノラ猫の「メト」です。佐々木さんが「ネコパンチ」と「メト」の様子をSNSに載せると、牧場の見学予約が急増。
さらに、札幌市の化粧品会社が、ハンドクリームのパッケージに起用し、売り上げの半分が牧場の運営費に充てられています。
・ノーザンレイク 佐々木祥恵さん
「少頭数で収入を得るのは、どうすればいいのかと考えていたら、メトの人気が出てグッズを作るきっかけに」
馬を1頭飼育するには毎月5万円~8万円ほど必要です。穴が開いた屋根の修理などにも今後、数十万円かかり、いまや、ネコパンチとメトは牧場の救世主になりました。
・ノーザンレイク 佐々木祥恵さん
「希望を持ってこういう仕事ができるようなモデルを目指している」
競走馬を生かした“うまてなし”。馬産地を支える切り札となっています。
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