1年を通して値上がりが続いた物価。店にとっては厳しい状況の中、消費者離れを防ごうと各企業は奮闘を続けています。その取り組みと物価高はなぜ起きているのか、そしていつまで続くのか取材しました。
ケーキの材料も軒並み値上がり
今年も残り1カ月。ホイップクリームしぼる2週間後に迫ったクリスマスの食卓を彩るクリスマスケーキ。
益野製菓 益野広夢取締役:
「もうすでにソールドアウトも出ていて、毎年くまちゃん系のケーキは一番早く売り切れてしまう」
仙台市青葉区のアルパジョン仙台一番町店。この会社は、県内に7店舗を展開していて、合わせて8000台以上のクリスマスケーキの予約があります。しかし、ここにも物価高の波が押し寄せているといいます。
益野製菓 益野広夢取締役:
「お菓子作りのメインの材料になるものが、軒並み値上がりしている状況」
円安や物流コストの上昇が続き、総務省の小売物価統計調査によりますと、砂糖の小売価格は去年に比べて20円上がり、チョコレートの小売価格も産地・西アフリカのカカオ不足で、49円上がりました。
シュークリームを値下げし108円に、そのワケは
ケーキに欠かせない材料が軒並み値上がりするなか、この店では今年、人気のシュークリームを品質そのままに259円から108円に値下げしました。
値下げに踏み切ったのは、お客さんへの感謝の気持ちを示すと共に、客足を伸ばすのが狙いです。
客:
「街に来たときはこれを買ってつまんで帰る」
「100円で買えるというのとクリームがすごくおいしいので、気に入って週に3回くらい来ている」
話題性もあって来店する客も増えたといいます。地道な努力が少しずつ実を結び、今年のクリスマスでは成果が出ました。
益野製菓 益野広夢取締役:
「きょう(4日)の時点で去年と比べると30%ほど予約台数が増えていて、非常にありがたい。今年1年100円のシュークリームなど、お客さんに還元を続けていたので、そういった部分でお客さんに選んでいただけているのかなと」
物価高でスーパー巡りする客も…
物価高の悩みはスーパーを訪れる買い物客にも…。仙台市若林区のスーパー、生鮮館むらぬし。
客:
「なるべく安いものを選ぶようにしていますし、今まで国産だったものを鶏肉だとブラジル産にしたりとか」
「もう大変です。何もかも値上がりして、安いのを毎日探して買い物している。あっちのスーパーこっちのスーパーと」
実際に変動の多い生鮮食品をのぞいた食料の消費者物価指数は年々上昇していて、2020年を基準とした100に対して、今年10月はは121.2。前の年の同じ月に比べて3.8%高くなっています。
そんな中、このスーパーには、平日にも多くの人が訪れています。そのわけは…。
このスーパーが10年前から行っていることは?
生鮮館むらぬし 村主芳治社長:
「毎月5日、15日、25日、5のつく日を55円セールということで、10年以上前からやっている」
5の付く日に55円や555円など5にまつわる価格に値下げする、その名も「ゴーゴーセール」。物価高が続いても毎月変わらずに実施しています。
客:
「ゴーゴーセールの時とかは、お買い得ですね」
生鮮館むらぬし 村主芳治社長:
「かなり今年は厳しくて、お客さんがむらぬしに期待していることは、1円でも安く売ることだと思うので、結構大変だった」
この物価高は、いったいいつまで続くのでしょうか。専門家は…。
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