冬が近づき、鍋料理の際に使うカセットコンロや、湯たんぽが活躍する時期となりましたが、これらには思わぬ危険が潜んでいます。保管方法を誤ると、大事故につながる恐れも。
実際、毎年爆発事故や火災といった重大な事態が発生しており、取り扱いには細心の注意が必要です。
今回は、冬に潜む危険、その実態と対策についてまとめました。
2024年1月、北海道札幌市の居酒屋で、カセットコンロ用ガスボンベが爆発し、従業員3人が負傷する事故が発生。警察によると、使用中のオーブンの上にガスボンベが置かれていたことにより、熱せられて爆発したのが原因でした。
冬に急増するガスボンベによる爆発や火災 置き場所と保管方法に要注意
北九州市消防局が、ガスボンベをファンヒーターで温めていたという想定で実験を行いました。
約10分でボンベが破裂し、ガスが漏れ出して引火。辺り一面が炎に包まれる結果となりました。
さらに、ガスボンベの爆発威力を確かめる実験では、厚さ1.2センチの板を4枚並べ、その手前でガスボンベを破裂させました。結果、破裂したボンベは、すべての板を一瞬で貫通するという破壊力の強さが実証されました。
「ガスボンベやスプレー缶も高温になる場所には絶対に置かない」これが鉄則です。
その捨て方、本当に安全? 使用済みスプレー缶・ガスボンベが招く事故
使用済みのスプレー缶やガスボンベの処分にも、事故の危険が潜んでいます。
2018年12月に北海道札幌市で発生した事故では、100本以上の消臭スプレー缶を処分するため、室内で穴をあけていた際に湯沸かし器の火が引火し、大規模な爆発が発生しました。
この事故により、建物が大きく壊れ、周囲には瓦礫が散乱するほどの甚大な被害が出ました。
ガスボンベやスプレー缶を捨てる際には、穴をあけるよう推奨している自治体もあります。しかし、火の近くで穴をあけると、その瞬間ガスに引火し、一気に炎が立ち上がる危険性があります。
たとえ、火元から離れたシンクで穴をあけたとしても、ガスが流れ出し、引火して燃え広がることも。
家庭用ガスボンベに関連する事故の半数が火災に…
工業製品の安全性などを調べている「独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)」によると、家庭用ガスボンベに関連する事故は、毎年20件以上発生しており、その半数が火災に繋がっていると報告されています。
特に事故が急増するのは11月~2月。まさにこれからの時期です。2003年6月には愛知県名古屋市中区で、約8000本の殺虫剤のスプレー缶を積んだトラックがワゴン車と衝突。スプレー缶が爆発し、7時間にも及ぶ通行止めが発生するなど、街は混乱しました。
近年、「穴あけ不要」とする自治体が増えてきていますが、いずれの場合も「捨てる際には必ずガスが残っていないことを確認する」ことが鉄則です。
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