漬物離れが進む中、奈良漬&クリームの“新感覚スイーツ”や、“惣菜感覚”で食べられる浅漬けが人気になっています。
お漬物の“新しいカタチ”
漬物は今まさに、苦難の時代。
「漬物店の倒産・休廃業」は、2024年1月~9月で26件と過去最多のペース。(※帝国データバンクより)
「漬物にかける1世帯当たりの年間支出額」も、ここ20年で約24%減少しています。
(※2人以上世帯/2003年:1万591円⇒2023年:8048円/総務省家計調査より)
そんな状況を打破すべく登場したのが、“進化した漬物”たち。
『スーパーマーケット リコス』入船1丁目店(東京・中央区)で売られているのが…
THE TIME,マーケティング部 原千晶部員:
「えっ、これ漬物ですか?初めて見ました」
原部員の目線の先にあったのは、“お惣菜感覚で食べられる漬物”。
9月に発売された商品で、「漬物売り場が縮小する中でも一番売れている」(『リコス』加藤克己さん)とのこと。
「ねぎ塩だれきゃべつ」(267円)は、ねぎ塩ダレを絡めたキャベツの浅漬け。
原部員:
「ほどよい塩味で、なおかつタレにニンニクも効いているのでパンチもある。おかずとして成立します」
白菜・人参・大根・豆もやし・ゼンマイ・ニラをナムル風に味付けた「6種類の野菜たっぷりナムル」(267円)も“お惣菜感覚”の浅漬けです。
ナゼ漬物を“惣菜感覚”に?
おかずの一品にもなる新しい漬物を手掛けたのは、「きゅうりのキューちゃん」で知られる『東海漬物』。
“脇役”のイメージが強く、漬物離れも進む中「もっと主役に寄せたものを」と、おかずの一品になる漬物を開発したといいます。
そして、“あること”も追い風となって人気商品に!
『東海漬物』商品開発課 鈴木琢朗さん:
「最近“時短”のニーズが高まっているので、すぐにアレンジして食べられるのが一番人気の理由かなと」
そう、元から味がしっかりと付いているため、他の食材と合わせるだけで簡単にメインのおかずが作れちゃうんです。
のせてチンだけ“旨味”焼きそば
炒め物に、うどん・ポテトサラダなど色んなアレンジレシピがありますが、
「ねぎ塩だれ焼きそば」は5分でできちゃう超時短メニュー。
材料は、▼焼きそば麺▼ねぎ塩だれきゃべつ、2つだけ。
耐熱皿に軽くほぐした焼きそば麺と浅漬けを乗せ、ラップをして電子レンジで5分加熱したら完成です。
原部員:
「漬物から出てくる旨味がよく麺に絡みます。おいしい!」
漬物で“新感覚”スイーツ
漬物のカテゴリーを超えた商品は、京都の老舗漬物店でも!
創業1789年、江戸時代から235年続く奈良漬専門店『田中長奈良漬店』(京都市)が作ったのは、なんと漬物がスイーツになった「奈良漬バターサンド」(冷凍・6個入り2376円)。
1cmほどのサイコロ状にカットされた瓜の奈良漬を、国産バタークリームで包みクッキー生地でサンドした“新感覚”スイーツで、発売当初は、わずか1時間で完売したことも!
スタジオで一口食べた櫻坂46の松田里奈さんは「初めて食べた食感と味。奈良漬のしょっぱさとバタークリームの甘みがめちゃめちゃ丁度良くて、すごく美味しい」
安住紳一郎アナも「奈良漬のちょっとお酒の感じもいいのよ」と高評価です。
なぜ奈良漬をバターサンドに?
この異色の組み合わせを考えたのは、八代目の田中万祐子さん。
漬物業界が厳しい中、「新ジャンルや珍しさにフォーカスをあてた商品ができないか」と思ったことがきっかけだったといいます。
200年以上続く老舗でも売り上げが低迷する中、創業以来初となる“お菓子作り”に着手。しかし…
万祐子さん:
「焼き菓子に応用したかったんですけど、ネチャっとした食感になってどうしても奈良漬の良さをうまく表現できなかった」
そして、2年の試行錯誤を経てたどり着いたのが「バターサンド」。
サイコロ状の奈良漬なら、食感も伝えられ「奈良漬の良いところを全てアピールできる」と考えたのです。
今では、店の看板商品の1つに。求める客は後を絶ちません。
「3個入りが1個しかない…。ここ数か月で5回目かも(笑)」(女性客)
「いろんな世代が楽しめるかなって」(30代女性)
進化する漬物、この先どんな“新感覚”が登場するのでしょうか?
(THE TIME,2024年12月5日放送より)
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