これから本格的に旬を迎える冬の定番「ミカン」が記録的不作です。人気の「ミカン狩り」を休止する判断をした観光農園もあり、厳しい状況に立たされています。

伊豆の東海岸で約1,100本のミカンの木を育てる静岡県東伊豆町の「収穫体験農園ふたつぼり」。10月からミカン狩りを始めていて、平日でも県内外から観光客が訪れます。

<観光客>
Q. 味はどうですか?
「おいしいしいミカン」
「ん、甘い、甘い」
「冬はやっぱりミカンがこたつに入ってとかおいしい」

大人気のミカン狩りですが、いつもとは異なるシーズンを迎えています。背景にあるのは、夏の猛暑です。

<収穫体験農園ふたつぼり 田村雅彦さん>
「大変でしたね、今年はね」
Q. 暑いとミカンはどうなってしまうのか?
「焼けちゃう。酷いと、ここだけカチカチになっちゃう」

収穫量が少なく、来週の12月12日から約2週間、ミカン狩りを休止することを決めました。

ただ、原因は暑さだけではありません。

<田村さん>
「まだいるんじゃないですかね、暖かいんで。あのあたりにいるかな。あのミカンの頭辺りにいる」
Q. 何がいるのか?
「カメムシ」

夏以降、大量発生したカメムシ。静岡県によると例年の10倍です。ミカンの表面から針状の口を差し込んで汁を吸ってしまったといいます。

<田村さん>
「もうずっと何十年、(ミカン農家を)やってるが、こんなに多いのは初めて。ある程度、殺虫剤かけたりすれば、防守はできるが、うちは観光農園で客が入るのでそれができなくて被害が大きい」

暑さやカメムシの被害を受け、早生ミカンの収穫量は例年の半分ほどです。

<田村さん>
Q. 今年は暑さやカメムシの被害が多いとのことだったが、ミカンの中はどうなってしまうのか?
「切ってみましょうか」
Q. パサパサになっている
「水分が抜けちゃってるんで、その分ぎゅ~っと凹んでる」

強い日差しが当たらなかった側の実はおいしく食べられるため、果汁100%のジュースなどにして販売しています。

<田村さん>
「多分、私の感じだと、この早生ミカンが一番カメムシの被害はあるんじゃないかと。日焼けに関しても」

今後の品種については、育つ時期がずれているため、被害が減るのではないかと期待しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。