鹿児島県警は5日、新たに県内で被害が確認されたうそ電話詐欺やSNS型ロマンス詐欺の手口を公表しました。県内での被害額は今年、16億円5000万円に上っています。

県警によりますと、県内で今年1月から10月末までに確認されたうそ電話詐欺やSNS型詐欺は309件で、被害額はおよそ16億5000万円に上っています。

県内で実際に今年、発生した詐欺の事例です。

【被害1】うそ電話詐欺

今年11月中旬、県内の60代女性はスマートフォンにショートメールで「確認事項があります。至急、ご連絡ください」などとメッセージを受けました。

メールに表示された電話番号に連絡したところ、『NTTファイナンスの債権回収担当のツカコシ』を名乗る男から「あなたには未払いがあり、未払い相手の会社があなたを訴えようとしている。訴えを取り下げさせるために310万円を払う必要がある。とりあえずコンビニで10万円分のアップルギフトカードを買うこと」などと言われました。

女性は未払いについて心当たりはなかったものの、コンビニでギフトカードを購入し、その後、『個人データ保護協会のナカイ』を名乗る男から電話を受けた際にカードの番号を伝え、10万円分の利用権をだまし取られました。

さらに、ナカイと名乗る男などから「残りは100万円を払えばいい。払ってもらえればあとで裁判所から返金される」などと言われ、指示された口座におよそ100万円を振込み、だまし取られました。

【被害1の注意点】

身に覚えのない請求があった際は、手紙やはがき、メールなどに表示されている電話番号やメールの送信元への問い合わせをせず、警察や家族などに相談してください。

【被害2】うそ電話詐欺

今年11月下旬、県内の70代男性は自宅のパソコンでインターネットを閲覧中に「この画面はウイルスにおかされています。マイクロソフト」などの文字が現れた上、パソコンの操作ができなくなりました。

男性は画面に表示された電話番号に電話をかけたところ「復旧するためにはお金が必要。5万円でセキュリティを強化します。明日の午前9時までにアップルギフトカードを買って連絡してください」などと言われました。

男性はパソコンのセキュリティ強化の名目などで、6回にわたってアップルやグーグル・プレイのギフトカードの利用権、あわせて40万円分をだまし取られました。

【被害2の注意点】

パソコンに突然セキュリティ警告画面が表示された場合は、表示されている電話番号に電話をかけず、警察や家族などに相談してください。

ネット上で使える電子マネーを悪用した詐欺が増加しています。購入したカードに記載された番号を教えるように依頼された場合は、詐欺を疑い、すぐに警察や家族などに相談してください。

【被害3】SNS型ロマンス詐欺

今年11月上旬、県内の50代の男性はスマートフォンのインスタグラムに『由美』と名乗る人物からダイレクトメッセージを送られ、知り合いました。

その後、LINEで連絡を重ねる中で「あなたと一緒になりたい。仕事を辞めて鹿児島に行く」などのメッセージを受けて、男性は女性に親近感を抱いたということです。

その後、男性は『由美』から「私には6000万円の貯金があり、月収80万円もらっている。FX投資で必ず儲けることができる」などと投資を勧められました。

男性は指示された通り投資用のアプリをインストールし、指定された口座に振込送金したところ、アプリ上で利益が出ているように表示されたので、『由美』やアプリを信用し、4回にわたってあわせておよそ150万円振り込み、だまし取られました。

【被害4】SNS型ロマンス詐欺

今年5月中旬、県内の50代男性は、スマートフォンのLINEに見知らぬアカウントから絵文字を受信し、返信したことをきっかけに『雅美』と名乗る人物と連絡を重ね、恋愛感情を抱いたということです。

今年7月中旬、男性は『雅美』から「私は各国の通貨取引で利益を得ています。きょうの利益は3600ドル。私たちは結婚するので今から始めましょう」などと通貨取引への投資話を勧められました。

男性は指示された通りに投資アプリとLINEアカウントを登録し、アカウントから指示された口座に振り込みをしたところ、アプリ上で資産が増えたように表示されたので、『雅美』やアプリを信用し、通貨取引名目および出金のための保証金名目で14回にわたって、あわせて460万円を振り込み、だまし取られました。

【被害3・4の注意点】

マッチングアプリやSNSでやりとりをする中で、投資などの儲け話を持ちかけて現金や暗号資産をだまし取る詐欺が多発しています。

相手が指定する振込先口座について「依頼人や指南役などの名前とは異なる個人名義や法人名義」「外国人名義」、「口座が度々変わる」などの特徴があります。

会ったこともない相手からの現金や暗号資産、電子マネーの要求や儲け話は詐欺を疑い、警察や家族などに必ず相談してください。

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