全国でマンション火災が相次ぎ、先月27日、東京 文京区で起きた火事では新潟市出身の国際政治学者 猪口孝さんと長女が亡くなりました。いざという時避難が難しい中高層のマンションでの火災。命を守るには…。

亡くなった猪口孝さんは、マンションの最上階 6階に住んでいました。

同じ日には、川崎市の14階建てのマンションでも火事があり、火元の13階の部屋に住む2人が死亡しました。

低層の一般住宅と比べると、中高層のマンションは避難経路が限られ、逃げるのが困難な場合があります。

新潟県内でも2014年、三条市の14階建てのマンションで4階の部屋から火が出て、住人2人が亡くなっています。

マンションの住民は…
【マンションの住民は】「不安はありますよね。気を付けるしかないとなと(気持ちを)新たにした」

【マンションの住民は】「怖いですよね、空気も乾燥してるし今」

マンションの5階に住む男性です。
【マンションの住民は】「どういう条件で火事になるわからないですからね」
防災訓練を行ったことはありますが、最近はやっていないそうです。ベランダには避難用の器具が設置されていました。

【マンションの住民は】「要は梯子ですよ。いわゆる猿梯子」

階段やエレベーターが使えない時にはしごを使って下の階に避難します。
【マンションの住民は】「向こうの部屋にはこれはないんですよ。両方兼ねてここにある」

はしごは複数の部屋の共用で、隣の住民は壁を破り、このはしごまで来ることになっています。男性は訓練の際、実際にはしごを使ってみたことがあるそうです。

【マンションの住民は】「4メートルくらいありますので降りていくときに不安感じるんですよね」

そうした避難器具はどのように使えばよいのでしょうか。器具の製造・販売をしている「オリロー」の新潟営業所で実際に体験させてもらいました。

まずは、先ほど出てきた「避難ハッチ」です。

使い方は簡単。チャイルドロックを外しフタを開けると、床と90度の位置で固定されます。レバーを足で踏むとあっという間にはしごが下りていきました。

注意しなければいけないのが、上の階の住人がスムーズに避難できるように、はしごの下には物を置かないことです。

続いては、学校などでよく見る「救助袋」。ふたを開けて表のカバーを外し、砂袋が付いているロープを垂らします。その後、袋全体を下ろして、入口金具を回転させれば準備完了。

中は、らせん状になっているので、回転するように滑ります。

4メートルの高さでしたが、個人的には、避難はしごより恐怖感なく下りられました。

最後は、公共施設などで設置されている「緩降機(かんこうき)」です。ベルトを胴から胸のあたりに締め、ゆっくり降下します。

体重25キロから135キロの人まで使用可能です。先ほどの倍の8メートルの高さから降りましたが、最初に手を放す勇気さえあれば、あとはゆっくり降下するので安心です。

【オリロー新潟営業所 林英晴 所長】「大体、避難器具は使用方法という表示板がありますので、そちらを確認してもらって、慌てずゆっくりと操作してもらえば避難階まで通ずる。そこは常日頃確認してもらえばと思います」

火災から命を守ってくれる「避難器具」。

いざというときに備え、一度確認しておいたほうが良さそうです。

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