今年の期限が迫る「ふるさと納税」に異変が起きています。東京の自治体が新規参入、その返礼品とは。最新トレンドも徹底調査しました。

今年の期限が迫る「ふるさと納税」に、ある異変が。し烈な返礼品競争が続く中、先月、東京の自治体がついに新規参入！

東京・千代田区  樋口高顕 区長
「反転攻勢。いつまでも防戦一方でいるわけにはいかない」

反転攻勢の一手とは！?　迎え撃つ、人気の自治体にも秘策が…、返礼品の最新トレンドを徹底調査です。

Nスタ
「ふるさと納税の試食イベントですが、長い行列ができています」

今月行われた全国160もの自治体が参加した日本最大級の「ふるさと納税」イベント。その魅力は何といっても！

来場者
「実際ものをみて食べておいしいなと思ったら寄付しようかなと」

口の中でとろける近江牛に、身がふわっふわの国産うなぎ。返礼品の無料試食が決め手となるそうで、実際こちらの家族は…

来場者
「（北海道）根室市の塩辛のブースがあるんですけど、食べておいしかったので早速納税（寄付）しました」

自治体側は「我が町に寄付を」と、あの手この手でアピール合戦。

みかんジュースをアピールするため蛇口を使った自治体に、ドジャース大谷翔平選手のふるさと岩手県奥州市は前沢牛の試食。

前沢牛を試食した人
「うまい」
「すごくおいしいです。とろける感じで」

福岡県太宰府市の市長自ら宣伝していたのが…

福岡・太宰府市　楠田大蔵 市長
「世界的な人気でございます」

太宰府市にゆかりのある、とんこつラーメンの専門店・一蘭の「ふるさと納税」限定、生麺セット。6食で寄付額1万5000円です。

一蘭のラーメンを試食した人
「普段なかなか1人で行く機会がないので、もちもちっとした麺で、すごくおいしいです」

静岡県西伊豆町は珍しい試食を提供。おろしたてのわさびを、ご飯と鰹節の上にのせたシンプルながら絶品のわさび丼です。

わさび丼を試食した人
「けっこう鼻にきます。おいしいです」

実質2000円でお得に返礼品がもらえる「ふるさと納税」は昨年度、全国の寄付額がついに1兆円を突破。

自治体別の寄付額で全国3位となった大阪・泉佐野市の原動力が、秘伝のたれに漬け込んだ牛ハラミの焼肉。寄付額1万6000円で1.5キロも届いちゃいます。

牛ハラミを試食した人
「やわらかくて味がちゃんとついていて、おいしいです」

全国2位は、北海道紋別市。紋別市のホタテは、ある「ふるさと納税」サイトでは、今月、およそ76万点の返礼品の中で一番人気。焼いてもうまい、1キロも入って寄付額1万6000円です。

そして、193億円以上の寄付が集まり、2年連続で日本一の自治体が宮崎県都城市。今回のイベントでは、こんな秘策が…

宮崎・都城市　野見山修一さん
「よりファンになってもらう、何度も寄付していただく形を狙っています」

なんと30分間、自慢の芋焼酎が飲み放題。人気のローストビーフや炭火やきとりなどを試食しながら、じっくりアピール。その甲斐あってか、こちらの男性は…

男性
「ポチっちゃいます。ピッ」

ポチっと寄付したのは、1万円で1.5キロの炭火やきとりです。

都城市に寄付した人
「お酒も入って高揚している部分で、いっちゃえみたいな」

街の人にも、どんな返礼品を選んだのかを聞いてみました。

40代
「せっかくなら実用的なもの。お米ですね」
70代
「お米だったら困ることないから」 

多くの人が選んでいたのは、お米。夏には“令和のコメ騒動”と呼ばれる価格高騰もあり、今年のカテゴリーランキングで、お米が1位に。

こちらの方が選んだものも、物価高で人気となった返礼品。

20代
「トイレットペーパーとかキッチンペーパーとか紙製品」

何をもらうのも自由。こちらの男性がゲットしたのは…

30代
「桜の盆栽を注文しました。桜とか植物好きなんで、よかったなという感じですね」

ものではなく、“体験”を選んだ人も…

40代
「（富士山マラソンの）一般出場枠は定員オーバーになったので出られないかなと思ったら、ふるさと納税枠があったのでやってみました」

一方で、都市部では税金の減収に悩まされています。今年度、区民税の1割にあたるおよそ20億円が流出した東京・千代田区では…

千代田区　樋口高顕 区長
「これ以上の減収は看過できない。反転攻勢。いつまでも防戦一方でいるわけにはいかない」

千代田区職員
「こんにちは千代田区です。ふるさと納税始めました」

先月から返礼品の提供をスタート。その1つが…

ここは、文豪・夏目漱石も愛した創業121年、歴史あるレストラン「日比谷松本楼」。こちらの名物が…

お客さん
「カレーが有名で、いつか来てみたいと思ったので」

どこか懐かしさを感じる、まろやかでコクのある「ハイカラビーフカレー」1350円です。この味を再現したビーフのほか、ポークやチキンなどのルー、8個の詰め合わせは寄付額1万5000円です。

お客さん
「家で簡単に食べられるし、ほしいなって思います」

さらに、築地場外市場にある創業110年、佃煮の専門店からは…

スペインからの観光客
「とてもいいよ。スペインに持って帰りたいよ」

外国人観光客も絶賛。佃煮6種類のセットは寄付額2万円。

江戸一飯田　飯田一雅 社長
「築地の市場にお店があるんですけど、それを支えているのが千代田区の工場」

千代田区にあまい香りが漂う製造工場があるんです。ここで日々、秘伝のたれを継ぎ足しながらじっくり煮込むことで、うまみが凝縮された佃煮になるといいます。

農林水産物の資源が乏しい千代田区ですが、文化を活かした返礼品も…

ワテラス神田そば研　一ノ瀬静男 代表
「神田はそばの街だと思うので、ぴったり」

江戸流、手打ちそばの体験です。

参加者
「マンツーマンでやってもらえるのは、非常にありがたいです」

寄付額は1万6000円。江戸時代に考案された伝統的な技法を学びながら、自分で打ったそばを味わえます。

参加者
「体験型というのは思い出になるし、技術にも残る」

ワテラス神田そば研　一ノ瀬静男 代表
「ぜひ趣味の一つに選んでいただければ」

地域の魅力がいっぱい詰まった返礼品の数々。なくなる前に早めの寄付がおすすめです。

鄭重声明：本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。