「東海道・山陽新幹線」記念すべき2024年度 50年前に何があった?
来年3月10日で、東海道・山陽新幹線は「東京-博多全通50年」を迎えます。
RSK山陽放送(1953年創業)は71年に渡る放送の歴史の中で、新幹線に関わる数多くの貴重動画を保存していて、「RSKイブニングニュース・YouTubeチャンネル」では、再生リスト「新幹線・貴重映像大集合」にてそのうち38本の動画を公開しています。
RSK山陽放送では、38回シリーズ(予定)で、その内容を画像を交えてインターネット記事として紹介していきます。
24回目は「700系が現れた!」です。
実は、まだまだ各地で現役「700系」台湾でも
ちょうど11月27日に、JR西日本から「ONE PIECE」とコラボしたブルー一色の新幹線がデビューするとの広報リリースがありました。そのベースとなるのが、今回取り上げる新幹線「700系」です。
この700系、塗装次第で本当にイメージが変わる車両です(個人の感想です)。例えば今も山陽新幹線で走っている「レールスター」は、【画像①】のようにグレー地に黒と黄色の配色で、独特のスマートさを醸し出していると思えば...。
700系をベースにした台湾の新幹線「台湾高鐵700T」は、白ベースに黒とオレンジで、先頭車両は少しのっぺりとした印象があります【画像②】(実際ノーズは1.2m短いらしいです)。
蛇足ですが、台湾高鐵700Tの車内はというと、ほとんど日本の新幹線と区別がつきません。違う点と言えば【画像③】のように表記がよく見ると中国語の繁体字であること、座席が青緑色であることくらいでしょうか。
なおどうでもいい話ですが、当時SNSに「出張で新幹線で移動中です」と配信したところ、みな「東京行くの?」と勘違いしてくれました。心の中で「台中なのだよ、台中」とつぶやきました。
今はもう見られない「16両編成」「真っ白な」700系 デビュー時の衝撃
この700系が「白一色」だとどうなるか。。。その初登場はあまりに衝撃的でした。
500系【画像④】を初めて見たときは「格好いい!未来!」の一言(二言?)だったのですが。。。
700系を初めて見たときは、正直に言うと
((ノ∀≦。)ノプププ
でした。今回は、そんな新幹線700系デビュー前の試乗会、1999年2月8日の模様です。
さぁ、その700系がJR岡山駅に入線してきました【画像⑤】。
今回は、当時RSKイブニングニュースのキャスターだった遠藤寛子アナウンサーのリポートです。その第一印象は?
(遠藤寛子アナウンサー)
「うわー、なんか格好いいというよりかは...いいですね。なんか先頭部分は『アヒル型』『カモノハシ型』という感じ。ユニークな形をしております」【画像⑥】
うん、やはり当時の共通認識は「格好いい」ではなく「かわいい」系という印象だったようです。
ただ、先頭車両を近づいてみてみると、意外に複雑な立体の形状をしていて、見る角度によって「先頭車両の顔」の表情が全く異なることが分かります【画像⑦】。
よって700系あたりから、「子どもがお絵かきで描けなくなった」のではないでしょうか?大人でも「描け」と言われても描く自信がありません。
(遠藤寛子キャスター)
「これから私、これに乗り込みまして、新大阪まで行っていきたいと思います」
よく見ると、方向幕が「試運転」!めったと見られるものではありませんね、というか今はもうデジタル表示が主流です【画像⑨】。
さぁ、700系の乗り心地はどうなんだい?
700系が、新大阪に向けて岡山駅を発車しました。ホテルグランヴィア岡山の屋上に設置させて頂いている情報カメラも、その車両を見送ります。今ではもう見ることがない、「16両編成の700系」です【画像⑩⑪】
そして、試乗会恒例の「運転席にお邪魔します」です。遠藤キャスターも「700系の運転席」に潜入です。
(遠藤寛子キャスター)
「普段でも、もちろん滅多にこんな運転席から先頭部分っていうの見ることがないので感激しましたけれども、本当にすごいスピード感ですよね」【画像⑫⑬】
快調にスピードを上げていく700系。最高速度が時速300キロの500系ほどではありませんが、遠藤キャスターもその速さを実感します。
(遠藤寛子キャスター)
「現在282、283キロ、この山陽区間では285キロが最高スピードだそうです」
ちなみに速度メーターは、最高で300キロまでしか表示されないようになっていたみたいです【画像⑭】。
スピードを出した時の揺れはどうなのか...これは300系時代の課題でした。果たして700系は?
(遠藤寛子キャスター)
「こうやって歩いていましても【画像⑮】、それほど振動というか揺れというのを感じないんですね。今回はこの揺れをかなり抑える工夫をしたということですよ」
そして、座席に座る遠藤キャスター。お客さんもいない試乗会なので、めいっぱいリクライニングです【画像⑯】。
(遠藤寛子キャスター)
「座り心地というの体で感じてみたいと思いますが、こうやってわざとリクライニングさせているせいもあるんでしょうけれども、かなりあのゆったりとした感じはしますね」
なぜ「700系」は乗り心地がよくなった?
乗り心地に関しては、岡山県立図書館の文献を漁ったところ、「セミアクティブサスペンションシステム」という、動力源を用いずに外部の振動エネルギーを利用して車両の振動を制御する装置を導入した台車を使ったり、車体間を結ぶ「ダンパ」を採用することで、大幅に改善されたということです。
そして、車体のデザインにも意味があり、
「空気抵抗の減少」
「トンネル進入時微気圧対策」
「先頭車両が最後尾になった時も空気の流れによって車両の揺れが発生しない」
などの効果があるそうです。よって...
(遠藤寛子キャスター)
「トンネルを通過する際に受ける軽い衝撃も、ほとんどありませんでした」
さらにさらに、室内にもこんな工夫が。。。
(遠藤寛子キャスター)
「空調の吹き出し口を横に設けて、冷たい風が直接体に当たらないようになっています」
普段はあまりに気かけませんが、【画像⑱】のような吹き出し口も当時は新しかったようです。
その吹き出し口を拡大して見ると。。。これは、ジオン公国のモビルスーツ「ジオング」の顔部分!【画像⑱】「あんなの飾りです、偉い人にはそれが分からんのですよ」でお馴染みのあれです。
500系よりも少しだけ遅くなった700系。それでも居住性は抜群のようでした。
(遠藤寛子キャスター)【画像⑲】
「この700系ののぞみは、500系に比べますと2分ほど東京まで長くかかってしまうんですね」
「ただ、室内空間も確保されていますし、音も静かという意味で言うと、やっぱり乗ってる人には快適にその時間を過ごすことができるんじゃないですかね」
700系が新大阪に到着しました。向かいのホームにいたのは、当時「のぞみ」主力の300系です。
ここのところ「500系」「700系」の記事ばかり書いていたので、【画像⑲】の300系を見ると思わず「鼻短ッ!」と思ってしまいます。
かくして、新型車両700系はこの1か月後、1999年3月13日にデビューするのでした。
次回はその700系デビューの日の模様をお伝えします。11月7日配信予定です。
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