2024年10月、長崎駅近くに開業した大型複合施設「長崎スタジアムシティ」。その「ハピネスアリーナ」で開催された、さだまさしさんの能登半島地震復興チャリティーコンサート。NBCラジオのディレクターが、音楽の力と平和へのメッセージ、そして「さだ音楽」の魅力を語ります。

【長崎スタジアムシティ】…2024年10月14日ジャパネットグループが長崎市幸町に開業。サッカースタジアムを中心にアリーナやホテル、オフィス、商業施設などが集積する複合施設。総事業費約1000億円。

胎教から始まった『さだまさし』愛

NBCラジオ制作 久保田麻智子:
「さださんが好きな理由?…なんでしょう。好きとか嫌いとかじゃなくて、いつもそこに存在するという感じだったから、改めて聞かれると分からない笑。大切な思い出は全部さだまさしさんの曲と共にあるし、コンサートに行くと、忘れてしまいがちなことを改めて思い出させてくれます」

久保田麻智子。2014年入社以来、NBCのラジオ局で勤務している。一家総出で、熱狂的な「さだファン」で、久保田はお腹の中にいる時からさださんの楽曲を聴いて育ったという。

母親がさだファンで

Qさださんを好きになったきっかけは?
「母が、さださんの大ファンだったことがきっかけです。母は学生の頃、NBCラジオに出演していたさださんの曲やしゃべりを聞いて、ファンになったそう。父も結婚してから、母の影響でさださんのファンになりました」

「家では毎日、一日中、さだまさしさんのCDが流れているという状況で、胎教が『さだまさし』でした笑。小学生の頃も、私の推しはアイドルじゃなくて『さだまさし』。家では『さだ教』といって、さださんの言ったことは大切に考える、守る、信じる。おかしいですかね?」

好きな曲ランキングトップ3!

久保田に、さださんの曲の中で特に好きな曲トップ3を聞いた。
「不器用な花」
「ふ」
「デイジー」
中でも一番好きな楽曲は「不器用な花」。

NBCラジオ制作 久保田 麻智子:
「小説のような、映画のような、『ファンタジー(幻想)』と『リアル(現実)』の間のような、世界感が好きです。曲を聴いてると、歌詞の世界が脳裏に浮かんできて、その物語に入っているような感覚になれます。さだまさしさんの曲から、人や物事への接し方を学んだと思います」

さだまさしの島『詩島』での思い出

久保田の家族との思い出には、いつも「さだまさし」がいる。家族で出かける車の中では、必ずさだまさしの曲を聴いていた。さだまさしが出るテレビ番組は必ず一緒に見て、笑って、泣いた。

さださんが1987年~2006年まで、毎年、広島原爆忌の8月6日に行っていた長崎市稲佐山での野外コンサートにも、15年以上毎年家族で通った。

さださんが所有する「詩島」には、家族で3回訪れた。「詩島」は、長崎県大村湾に浮かぶさだまさしさんの所有する島で、過去には宿泊施設も運営されていた。さださんの音楽を聞きながら、静かな島で過ごす時間は、特別なものだったと久保田は振り返る。

NBCラジオ制作 久保田麻智子:
「島には、『ガス』と『ローリー』という犬が2頭いて、宿泊客を迎えていました。とても人懐こくて、私もすぐ友達になりました。島にいる間は、自分の飼い犬のようにずっと一緒に遊んでいました」

「島中を一緒に歩きまわって、一緒に海を見て、そしてさださんの音楽を聞いて…。子どもの足でも数分で一周できるほどの小さな島でしたが、退屈しなかった!目の前のすべてを楽しいと思えた!思い出すと心が温かくなる大切な思い出です」

長崎スタジアムシティで開催!チャリティーライブ

被爆地で生まれ育ち、歌の力と行動力で、人が人を思うことの尊さや温かさを発信しているさだまさしさん。

ことし10月19日に、長崎スタジアムシティ「ハピネスアリーナ」のこけら落としとして行われた「さだまさしチャリティーコンサート 長崎から、能登へ!」。5組のゲストにも声をかけ、被災地へのエールを送った舞台だった。久保田は今回、取材者としてコンサート会場を訪れた。ちなみに、本人と会ったことはない。一度だけ目の前を歩いているさださんを見かけたことがあっただけ。

NBCラジオ制作 久保田 麻智子:
「今回のコンサートの中で、力を込めて語られたのは、『復興』そして『平和』についてでした。『復興というのは、1年や2年で出来るものではない。継続的な支援が必要で、被災地を応援している。メッセージを伝え続けることが大切だ』と」

3時間に渡り行われたハピネスアリーナでのコンサート。席数5,000に対し、応募総数48,000に上った。さださんの呼びかけに応じた、歌手の岩崎宏美、ヴォーカル・グループのゴスペラーズ、シンガー・ソングライターのスガ シカオ、演歌歌手の水谷千重子、フォークデュオのグレープも参加。

出演者全員が力強いメッセージを発信し、最後は出演者、観客全員で「能登がんばれー!」と叫んだ。さださんを筆頭に、その場にいた全員が一体感を共有したステージとなった。

久保田によると、今回のコンサートには、さださんの熱心なファンだけでなく、全国から様々な年代の人が訪れていた印象だったという。みんな被災地へのエールを胸に、ステージを楽しんだ。

久保田は、さださんがコンサートの度に観客に伝える言葉を大切にしている。

さださんがいつも伝えるメッセージ

【いま、あなたの大切な人の笑顔を思い浮かべてみてください。そして、その笑顔を守るために何が出来るか考えてみてください】

NBCラジオ制作 久保田 麻智子:
「この言葉は、稲佐山の時からずっと言われています。チャリティーというと構えてしまいますが、さださんは自分にできること、隣の人を笑顔にするためにできることを考えてね、と言われるんです。聞くたびに、『私に出来ることは何だろう?』と考えます。長崎で生きて、さださんの曲を聞いて、たくさんの思い出や感情をもらってきた。何か行動しなければという思いはいつも胸にあります」

被爆地長崎市出身のさださんが発信する思い。それを受け取った1人1人の思いや行動こそが、平和へとつながる道となる。

今回のコンサートのチケット代金は、全額「風に立つライオン基金」「ナガサキピーススフィア貝の火運動」を通じ、能登半島災害支援に活用されるという。

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