不適切な党員登録を認めた自民党の田畑裕明衆議院議員は28日、国会内で取材に応じ、今週中にも富山で会見を開くと述べました。自民党本部は臨時国会前に説明責任を果たすよう求めていました。

田畑裕明 衆議院議員
「今週中に地元の富山の方で今般報道されていることにつきまして、私の方から会見という形になると思いますが、ご報告させていただきたいと思います」

28日召集された臨時国会。政治資金規正法の再改正が焦点で、野党側は、自民党が慎重姿勢を崩さない「企業・団体献金」の禁止に向けて攻勢を強める見通しです。

その企業・団体献金を巡り、論戦の火種となりかねない疑惑を抱えているのが、自民党の田畑裕明衆議院議員です。

田畑議員と支援者が電話で交わした音声からは支援企業の従業員を無断で党員登録したほか、架空の名前で党員を水増しし、その党費に企業献金を充てた疑いが浮上。企業献金は田畑議員が代表を務める政治団体に収入として記載されていましたが、支出に党費の記載はなく、専門家は政治資金規制違反に当たると指摘しています。

自身の進退について記者から質問あったが…

神戸学院大学上脇博之教授「明らかに虚偽記入になってしまうし、不記載にもなる可能性もあるとは思いますが、いずれにしてもこれ計算合わないですよね。もうどう考えても政治資金規正法違反」

田畑議員は今月18日の会見で不適切な党員登録がおよそ100人あったと認めた一方、自身の関与は否定。企業献金を党費に充てたかどうかや党員の無断登録の疑惑について「調査中」を理由に具体的な回答を避けました。

田畑議員「きちっと調べてご回答させていただきたいというふうに思ってございます」

自民党県連の橘慶一郎会長は11月23日の会合で、田畑議員の問題について党本部も重く受け止めている「重大局面」だと述べ、臨時国会前に説明責任を果たすよう求めましたが、実現しませんでした。

そして28日、国会内で取材に応じた田畑議員は、今週中にも不適切な党員登録問題について今週中に富山県内で会見を開く考えを述べました。

田畑裕明 衆議院議員
「今週中に地元の富山の方で今般報道されていることにつきまして、私の方から会見という形になると思いますが、ご報告させていただきたいと思います」

一方、説明が長引いた理由や自身の進退について報道陣から質問がありましたが、答えませんでした。​

野党側と国会運営の調整に当たる党の国会対策副委員長を務める田畑議員。午後の原子力委員会には出席しましたが、午前中に開かれた国会対策正副委員長の打ち合わせや国会対策委員会はいずれも欠席しました。

“説明しようと努力している”と聞いている

午後の本会議前には国会対策委員長の坂本哲志議員に話しかけに行き、わずかに頭を下げる場面も…

国会対策委員会などの欠席に不適切な党員登録の問題が影響したのでしょうか。

今週中に会見を開く意向の田畑議員について県連の橘会長は─。

自民党県連橘慶一郎会長「(きのう)宿舎でちょっと会いましたけど、今準備してるんだと。できるだけ早くというつもりで本人がやってるというお話です。全然その気がないんだったら別の話ですけど、今説明しようということで努力してるってことは聞いてますから、見守ってるっていうのが現状です。まあ見守ってるっていうのが現状です」

記者「説明責任を果たすには会見の中で何が求められると思いますか」

自民党県連橘慶一郎会長「いや、説明責任ていうのはだから皆さんが納得されるということがポイントでしょう。そういうふうに私は理解してますけど」

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