本格的な冬の到来を前にニュースエコーでは今週、シリーズ「いわての冬支度」と題して、冬を迎える準備の様子やこれからの時期にお薦めのグルメなどを紹介します。1回目に取り上げるのは岩手県陸前高田市の医師に聞く冬の入浴法です。
陸前高田市竹駒町の温浴施設「玉乃湯」です。
「いやぁ、最高ですよ」
地元の人たちから親しまれているこの施設で9日、寒さが厳しくなるのを前にあるイベントが開かれました。
医師で、地元の診療所の所長も務める岩井直路さんによる「健康入浴法」の講座です。
(岩井直路 先生)
「体調が悪ければ適切な入浴をすることで改善すると思います」
この日のイベントには地元の人を中心に20人が参加しました。
岩井さんによると、正しい入浴法を実践すれば健康増進の効果が期待されるといいます。
(岩井直路 先生)
「湯船につかる、それもあまり熱すぎない温度38℃から40℃、高くても41℃、そういうお風呂に10分とか15分入ることによって体に良い効果が表れます」
しかし冬は入浴中の事故に注意が必要です。
(岩井直路 先生)
「入浴中の事故って実は多いんです。交通事故の死亡者より多い」
消費者庁によると特に高齢者の入浴中の死亡者数は高い水準で推移していて、近年では交通事故による死亡者数よりも多くなっています。
そして入浴中の事故は、11月から4月までの冬季を中心に多く発生しています。
その理由は…
(岩井直路 先生)
「寒いからですね。ではなんで寒いと事故が多いのか」
気温の急激な変化によって血圧が上下し、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こす「ヒートショック」のリスクが高まるからです。
岩井さんは次のようなヒートショック対策を呼びかけています。
(岩井直路 先生)
「脱衣所と居間、その直前までいた居間の温度差をなるべく少なくしてあげる。できれば10℃以下にしてここも温めておくということですね」
また浴室にも対策を施すと効果が高まるといいます。
(岩井直路 先生)
「やっぱ裸で中入りますよね。タイル張りなんかだと寒いんですけど、その場合はマットを敷いておくとか。あとはお風呂のふたを事前に取っておいて少し湯気を出して温めておくとか」
この他にも入る前にシャワーを出すことで浴室内を温めるのも効果的だといいます。
医師歴44年の大ベテランの岩井さんが冬の健康維持のために正しい入浴法と合わせて薦めるのが温泉です。
「湯治」という言葉があるように温泉は古くから病気やけがの治療に利用されてきました。
(岩井直路 先生)
「温泉があんだったら温泉も利用して健康増進に結び付けたいなと思って。私は2018年に陸前高田に来たんですが、陸前高田市には温泉が温泉入浴施設が2か所
ある。さらには岩手県にはたくさんいい温泉があるんですね」
岩井さんは1935年設立の「日本温泉気候物理医学会」が認定する温泉療法医を目指しています。
来年の認定後は、温泉を活用した健康法の普及にも取り組む予定です。
また入浴の効果を高めるには入浴法以外にも気をつけたいことがあるといいます。
(岩井直路 先生)
「適切な食事、バランスのいい食事を採って音楽や映画で感動してリラックスして深呼吸して仕上げは入浴ですね。これやると1日の疲れも取れて自律神経も整ってすごくいい」
講座で岩井さんの話を聞いた人たちは…
「できるだけ実行に移してまだまだ長生きしたいな。100まで生きたいです。うふふふふふ。100まで」
寒さの厳しさが増すこれからの季節。
入浴法に気をつけながら健康維持を心がけてみてはいかがでしょうか?
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