地球を笑顔にするウィーク
今回ご紹介するのは、木炭のようにも見えますが…「固形燃料」です。
元となっているのは、産業廃棄物。
環境に優しいエネルギー資源として注目される新潟県内の取り組みとは?
新潟県長岡市にある『コンドウ印刷』におじゃましました。
こちらの会社では、店頭に並ぶさまざまな商品のラベルやシールの印刷を手掛けていますが、その作業の中でどうしても出てしまうのが…
【コンドウ印刷 近藤保子 社長】
「印刷をして、決められた型で抜いてシールができるが…、この“枠”の部分、いらないところが、こうやってごみとして出てくる ―」
ごみになるシールやラベルの“余分な部分”は、これまでは産業廃棄物として埋め立て処分をしてきましたが、その量は月におよそ7トン、年間で84トンに上ります。
ところが、コンドウ印刷では2023年から“ある方法”で全量のリサイクルを開始しました。それがこの『固形燃料』です。
古紙や廃プラスチックを原料とした『RPF(アール・ピー・エフ)』と呼ばれるもので、石炭などの化石燃料の代わりに使われます。
【コンドウ印刷 近藤保子 社長】
「燃料の業者さんも、紙系の原料はあるけど、固形燃料の熱量をあげるためにフィルム系やプラ系・ペット系が必要とのことで、そのゴミを探す中で声が掛かった」
コンドウ印刷から出る廃棄物は、新潟市に本社を置く不二産業が回収して、細かく砕いた上で固めてRPFに生まれ変わらせます。
その後、RPFは新潟市内の製紙工場でボイラー燃料として活用。
まさに、エネルギー資源の“地産地消”の実現です。
二酸化炭素の排出量で比べた場合、RPFは石炭と比べておよそ33%の低減効果があるということです。
コンドウ印刷にとってみても、廃棄物をリサイクルすることで、年間77.3トンの二酸化炭素の排出の削減につながるそうです。
【コンドウ印刷 近藤保子 社長】
「最初は仕事をしながら分別をするので、大変な部分もあったと思うが、今ではどうやったら少しでもごみを減らせるか、ごみに対する『環境リテラシーが向上した』と実感している」
「ごみの最終処分場の容量の問題など将来を考えたとき、いつかは誰かがやらなければいけないのであれば、自分たちが、できるところから、今しようと」
エネルギー資源に乏しい日本で、大きな可能性を秘めたごみ由来の固形燃料。
限りある資源をこの先へとつなぐ取り組みが始まっています。
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