口にサンゴを加えてトレーナーにプレゼントをくれるイルカ。SNSで話題のこの特技は、かわいいだけではなく、イルカたち自身のためにもなっているんです。知ってみるとそこには深いわけがありました。

 4月18日に取材に訪れたのは香川県さぬき市にある「日本ドルフィンセンター」。海を網で仕切ったいけすで、バンドウイルカ2頭、カマイルカ3頭が暮らしています。トレーナーの中野葉月さんに、山中真アナウンサーが話を聞きました。イルカも出迎えてくれました。

 (山中アナ)「わ~出迎えてくれました。こんにちは。手前がメイちゃん?」
 (中野さん)「そうです。手前がメイちゃんです」

 いま話題の海からプレゼントを持ってくる特技を見せてくれるのはバンドウイルカのメイちゃん!全長2m80cm・体重250kgです。

 (山中アナ)「触っていいんですか?」
 (中野さん)「いいですよ」
 (山中アナ)「こんにちはメイちゃん。ツルツル~冷たい」

 ここに暮らすイルカたちは実は約70種類もの技ができるそうで、なんと山中アナの合図でも得意技を披露してくれました。

 (中野さん)「お歌の合図は、両手を上に上げていただいて、指揮者みたいに振ります」

 山中アナが合図を出すと歌を歌ってくれました!この音を出しているのは口ではなく鼻!しかもいろんな音色で歌うことができるんです。

 (山中アナ)「カエルみたいな。えっ猫」
 (中野さん)「はい、猫みたいな音も出すことができます。ものまねもできます」

 さらに山中アナが海に入ると、こんな体験も!イルカの背に乗るようにして一緒に泳ぐことができるのです。

 (山中アナ)「えぇ!泳いでくれるの!?何と軽やか!」

 約70種類の技を持っているというメイちゃん。中にはこんなものも…カップ麺の容器を見つけると…

 (山中アナ)「うわ~持ってきてくれてる持ってきてくれてる。受け取っちゃっていいんですか?」
 (中野さん)「お願いします」
 (山中アナ)「ありがとう、すごい」

 お口を上手に使いながら山中のもとに持ってきてくれました。この『海のお掃除』のきっかけは何だったのでしょうか?

 (トレーナー 中野葉月さん)「イルカたちがこの海にあるゴミをおもちゃにして遊ぶことがあって、そのまま間違えて飲み込んでしまうこともあり、それを防ぐためにイルカたちにはゴミがあったら持ってきてねっていうふうに教えました」

 ゴミを飲み込んでしまうと、ご飯を食べられなくなるほか、場合によっては特別な器具を使ってお腹の中から取り出さなければなりません。そこでヒトデでもゴミでも飲み込まずに持って来てくれたらご褒美をあげる、という作戦を思いつき、数か月をかけて地道にトレーニングを重ねました。

 かわいいだけじゃない『海のお掃除』。お客さんの反応は…?

 (客)「すごいですよね(Qお掃除は得意?)すみません、聞かないでください」
 (客)「時々私は海のゴミ拾いに行くんですよね。(Q実際ゴミはある?)めちゃくちゃありますよ、本当に。びっくりしたのは車のハンドルのカバーとか植木鉢とか。台風とかそういったときに流れ着いたのかなとか思うんですけど」

 イルカたちが自慢げにプレゼントしてくれるのを私たちは喜んでいてはいけないのです。

 (山中アナ)「本当にかわいいゴミ拾いですけど、実はそこから僕らは環境のことを考えなきゃいけないわけですね」
 (中野さん)「そうですね。ゴミは本当によくこのプールにも流れてきますし、ここに流れてくるっていうことは、全国各地にゴミがたくさんあるっていうことにもつながるので。話題になったのはとても嬉しいんですけど、これをきっかけに皆さんに海の状況を知ってもらって、皆さんの意識が変えれたらいいなと思います」

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