木を間引いた際に出て、これまで使われずに放置されていた間伐材を利用して、工事現場で使われる新たなマットが開発されました。
温暖化による夏の暑さへの負担軽減も期待されています。

地面に敷き詰められている木材。

森林の成長を促すため、木を間引いた際に出るヒノキの間伐材でつくられたエコウッドマットです。

工事現場で車や人が足場が安定するよう使用するもので、電気工事などを手掛ける山梨県大月市の和田電業社が開発しました。

和田電業社 和田功社長

和田電業社 和田功社長:
「電線の保守工事をやっていまして、山林に入ると間伐している木が放置されているというのをよく見かけます」
「ある日、鉄板が非常に重いなという声が聞こえて、あれ(間伐材)を使うともっと軽くなるんじゃないかと、そこが1つの原点」

安い外国産の木材に比べると、間伐材は運搬にかかる費用など作業コストの問題から山にそのまま放置されてしまうことがあり、用途が限られているのが現状です。

エコウッドマットは森林組合に掛け合い仕入れた、縦およそ4mの間伐材を6本組み合わせて出来ていて、1平方メートルあたりの重さは一般的に工事現場で使われる鉄板の3分の1以下。

作業している人が軽くて扱いやすいだけでなく、重さで変わる作業現場までの運送費用も軽減できます。

耐久性も、4tトラックで上を走っても壊れることはありません。また、仮に壊れたとしてもチップにして燃料などにすることが出来るといいます。

最初の試作から8年…。
木材を組み合わせただけのようにも見えますが、改良を重ね現在の形になったのは最近。

そこには安全第一の工事現場ならではの細かい工夫があります。

和田電業社 和田功社長:
「切り込みを入れることで、ほとんど隙間があかない。連続で車が走ってもスムーズに走行できる」

このエコウッドマット、別の効果も…

今年8月、行われていたのは山梨大学の医学部などとの暑さの体への影響を調べる共同研究です。

5人の作業員が、エコウッドマットと鉄板の上で2時間の作業を行う前後に血液を採取、分析の結果、鉄板と比べ、同じ時間働いたときの体内の水分量の減少に差がでました。

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