「陸奥湾」を震源とする震度4の地震が1週間で2度も発生した青森県。陸奥湾の揺れが伴う地震で「マグニチュード5以上」となるのは実に90年ぶりです。
今回のこの地震を受けて、改めて「防災」について考えてもらえればと思い、青森テレビが2024年3月12日に公開した記事を再度公開いたします。
シリーズ「来るべき災害に青森県の備えは」(全3回)。
本記事はその【#1】の再公開です。
以下、記事全文。
※【#2】・【#3】はリンクからご覧いただけます。
「来るべき災害に青森県の備えは」【#1】
来るべき災害に、青森県の備えはどうすればよいのでしょうか?青森テレビでは、青森県の宮下宗一郎知事をゲストに迎え、一緒に災害への備えを考えました。
この内容をシリーズでお届け致します。テーマは「来るべき災害に青森県の備えは」です。
「この世の地獄のような光景を見ました…」3.11から13年
河村庸市キャスター
「13年という月日の中で、数えきれない鎮魂の祈りが捧げられてきました。あの日起きた多くの悲しみは今も癒えることはありません。しかし、未曾有の震災の記憶は少しずつ薄れ、いわゆる風化という現実も否めません。こうした中、政府は、近い将来発生する可能性が高い巨大地震について、様々な情報を提供し、注意を促しています。青森県も例外ではなく、万が一の場合、大きな被害が想定されています。来るべき災害にどんな準備ができるのか。何が必要なのか、今日はスタジオに、宮下宗一郎知事をお迎えしまして、一緒に伝えて参ります。どうぞ知事、よろしくします」
青森県・宮下宗一郎知事
「はい。よろしくお願いいたします」
河村庸市キャスター
「東日本大震災から11日で13年が経過しました。また同じような災害が起きる可能性もあります。改めて、その備えの重要性というものを感じますね」
青森県・宮下宗一郎知事
「はい。本当に東日本大震災も昨日のことのように私も覚えています。本当にこの世の地獄のような光景をですね、見ました。でも、これは必ずですね。これ以上の災害がもしかしたら青森県に来るかもしれない。いや、確実に来るという未来もありますので、ぜひ今日はそうした辺りをですね、お話させていただきたいと思います」
河村庸市キャスター
「それではじっくりとお話伺ってまいります。青森県は三方を海に囲まれていまして、知事も以前の会見で、青森県自体が半島だという言葉もありました。この地形もありまして、東日本大震災を上回る被害が想定されるのが「日本海溝・千島海溝地震」です。この地震についての被害想定などについて、市川キャスターお願いします」
「日本海溝・千島海溝地震」とは…
市川麻耶キャスター
「はい。北海道と東北の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震が発生した場合、最悪のケースで、約19万9000人が死亡する恐れがあると、国は推計しています。北海道の被害イメージと同様に青森県でも同じような被害が予想されています。県の地震と津波の被害想定では、八戸市で最大26.1mが予測されている他、震源から遠い陸奥湾の沿岸、青森市でも広い範囲の浸水が予測されています。
青森市で想定されている浸水エリアを見ていきます」
「青森市では、沿岸に近い青森市役所や県庁にも津波が押し寄せ浸水すると予測されています。県の被害想定は、死者が最大で5万3000人。これを市町村別に見ていくと、最悪のケースで青森市は2万1000人。八戸市1万9000人。むつ市で4700人が死亡すると予測されています。建物被害も八戸市で5万1000棟。青森市で2万3000棟が全壊するなどと想定されています」
河村庸市キャスター
「大変ショッキングな試算ですけれども、非常に広い範囲で津波の被害が想定されますので、様々な施策が必要かと思いますが、一番危惧していること、またそれに対する備えはどうお考えでしょうか」
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