出水市の養鶏場で死んだニワトリを検査したところ、高病原性鳥インフルエンザの疑いが分かり、鹿児島県は20日朝からニワトリの殺処分を進めています。県内の養鶏場での高病原性の確認は今シーズン初で、5シーズン連続です。

県によりますと、出水市高尾野町の採卵用の養鶏場できのう19日、死んだり衰弱したりしたニワトリ10羽に行った簡易検査で、鳥インフルエンザウイルスの陽性が確認されました。

その後の遺伝子検査で、20日にH5亜型の高病原性ウイルスの疑いが極めて高いことが分かり、県は午前7時からこの養鶏場のおよそ12万羽のニワトリすべての殺処分と埋却を始めました。

今シーズン県内の養鶏場で高病原性疑いが確認されたのは初めてで、全国では10例目です。県内での確認はこれで5シーズン連続となりました。

鹿児島県は、肉用のブロイラーの飼育数がおよそ3129万羽で全国1位、採卵用のニワトリの飼育数は1158万羽で全国3位と、養鶏が盛んな地域です。このうち、出水市は、ブロイラー・採卵用ともに県内有数の産地となっています。

採卵用と肉用両方のニワトリを飼育する農家からは、悲観的な声も聞かれます。

(養鶏農家)「野鳥がいる限り、(ウイルスは)増える。消毒は確実にしても無理。(このまま拡大すれば)やめるしかない」

県は殺処分を進めるとともに、この農場から半径3キロ圏内を移動制限区域に、3~10キロ圏内を搬出制限区域とし、制限区域付近の国道3号などに消毒ポイント6か所を設置して、消毒を開始し、移動制限区域内のすべての養鶏農場への立ち入り検査などを行っています。

なお、県によりますと、出水市の東干拓と荒崎地区で、今月16日と17日に回収されたナベヅルとヒドリガモあわせて4羽の死がいから、20日に高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。県内で野鳥からの検出は初めてです。

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