小諸市にある社会人野球チーム「千曲川硬式野球クラブ」から埼玉西武ライオンズへの入団が決まった古賀輝希(こが・てるき)選手。
チームから初となるプロ野球選手の誕生には裏で支える人たちの熱い思いがありました。
埼玉西武ライオンズ鈴木敬洋スカウト:
「7巡目で指名させていただきました。よろしく」
古賀輝希選手:
「よろしくお願いします」
古賀輝希選手、24歳。
10月のプロ野球ドラフト会議で、埼玉西武ライオンズから7位で指名を受けました。
古賀選手:
「クラブチームなので、どのくらいやれるのかというのは見られていると思うので、自分がしっかり活躍してこれだけできる、というのを見せていきたい」
強打の内野手として評価された古賀選手を訪ねると。
黙々とボールを打ち込んでいました。
古賀選手は佐賀県出身で、小学3年の頃、野球と出会い、高校は、古豪・佐賀商業へ。
3年の夏には、4番ファーストとしてチームを甲子園に導きました。
日本経済大学では4年秋のリーグ戦でベストナインに。
大好きな野球を続けたい一心で、小諸市の千曲川硬式野球クラブに入団しました。
古賀輝希選手:
「こっちに来たからには自分のやるべきことをやろうって決めました」
赤羽大さん:
「トップの位置からこの辺が得意」
チームの代表でコーチも務める赤羽大(あかばね・だい)さん。
クラブは、企業の経営合理化で廃部になった強豪社会人チームTDK千曲川の選手だった赤羽さんたちが2013年に立ち上げました。
野球だけでなく選手たちを生活面でも支えています。
いつもこんな感じで一人で?
赤羽大さん:
「そうそう、ひたすら一人で。みんな来るとマシン打って、私がいる時は投げてあげたりして」
「(古賀選手は)感性でやるタイプだと思っていたんですけど、意外に考えてやっているんだなと」
チームに加わってから、古賀選手が重点的に取り組んだのは体づくりです。
赤羽大さん:
「体の強さじゃないですかね。下半身の強さと、伝えられる体幹の強さ、もっと強くなると思うんですよね」
太もも周りは、なんと、66センチ!
ジムに足を運び、180キロのバーベルを担いでのスクワットなど、筋力トレーニングは、週に4回行います。
食事面では、脂が少ない肉や野菜などをバランス良くとるよう心がけ、菓子はほとんど食べず、1年半で体重をおよそ15キロ増やしました。
この努力で入団後2シーズンの打率は4割を超え、ホームランは15本。
4月に行われた西武の3軍との練習試合で、持ち味である逆方向への強い打球がスカウトの目に止まりました。
10月31日に、クラブが行ったのは、地元の小中学生への野球教室。
地域に貢献しようと続けている行事です。
古賀輝希選手:
「子どもたちと野球やるのは楽しいですね。自分たちのプレーを見てもらって、そこから何か学んでもらえたらなと思います」
社会人になっても野球を続けたいという選手を受け入れようと11年前に立ち上がったクラブには、県内外のおよそ40人が在籍しています。
入団の条件は、正社員として働いていることで、野球の技術は問いません。
趣旨に賛同する地元の企業などが支えています。
赤羽大さん:
「協賛してくれる皆様、協力してくれる方々に感謝しながらやっていかなければいけないということで、社会人として最低限のことをやろうということで、みんなで声を掛け合いながらやっています」
チームの目標は、都市対抗野球大会への出場。
2022年には北信越大会の決勝まで勝ち上がり、あと一歩のところまで来ています。
小学生を指導する古賀輝希選手:
「バット、この辺振っているからもうちょっとこの辺。押してみて。そう、力入るでしょ。ここを振る」
小学生:
「うまかった」
小学生:
「すごかった」
チームメイト:
「てる、てる、ちょうだい!おまえさー、てるー!」
チームメイト:
「古賀選手!まだ緊張してる ⁈ ああいう子なんです」
古賀輝希選手:
「みんないじってくれてますね」
赤羽大さん:
「一生懸命努力して、うまくなった選手かなと思います」
「自分の育てた選手がプロ野球界に行くということで、本当にうれしいことで、来年のプロ野球の試合を必ず観たいなと思っています」
古賀輝希選手:
「赤羽さんには千曲川に入った時からずっと指導してもらったりしたので、プロの世界で活躍して恩返ししていきたいです」
クラブへの感謝を胸にプロの世界へ。
若きスラッガーの挑戦が始まります。
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