11月17日に行われる福島県市町村対抗の「ふくしま駅伝」。35年の歴史の中で、福島を代表する長距離選手を輩出してきました。大会のレジェンドランナーを振り返るシリーズ、最終回の4回目は、箱根駅伝の「元祖・山の神」。福島県南相馬市出身の今井正人さんです。
箱根駅伝の「元祖・山の神」、南相馬市出身の今井正人。2015年に、世界陸上マラソン代表に選ばれた長距離ランナーも、「ふくしま駅伝」が生んだ選手です。
今井正人さん(2018年)「やっぱり初出場が中学1年生の時だったので、その時に代表になったってことに関しての周りの反響がすごく大きくて、ドキドキしながらもすごく楽しく走らせてもらった記憶があります」
幼い頃からの夢は、「プロ野球選手」。走ることは好きでしたが、陸上はあくまで「野球の練習」だったという今井さん。しかし、中学3年のふくしま駅伝。中学生区間で、区間2位。都道府県対抗駅伝の代表に選ばれたことが、大きな分岐点となりました。
今井さん「都道府県の選考に上がれるとなった時点でちょっといろいろと揺らぎ始めたというか。自分でも全国に行ってやれるんだっていう気持ちが強くなった自分が思うような結果を陸上で出せるようになったのが大きかったかなと。」
原町高校で本格的に陸上に打ち込み、夢は「プロ野球選手」から「オリンピックのマラソン」へ。インターハイ5000メートルで5位入賞し、全国トップクラスの高校生となりました。
衝撃の58人抜きも…ふくしま駅伝は「大切な時間」
実況(2002年)「今井正人、また一人抜きました!今まさに68番のランナーを抜いていき、さらに前をいきます、19番飯野町のランナーも抜いていきました!」
2002年のふくしま駅伝では、なんと衝撃の58人抜き。未来の飛躍を県民に予感させました。
今井さん(当時高校3年・2002年)「前を見てしまうと血が騒ぐというか、抜きたいという気持ちが一心で走りました。」
今年引退するまでに、体調不良や試合日程の都合でその後の出場は叶いませんでしたが、ふくしま駅伝は特別な存在でした。
今井さん「日本のトップレベルのランナーが福島からはたくさん育っていると思うん。その人と一緒に走れるとか、同じ区間を走るとか、アップを見られるとか。ふくしま駅伝が自分の中ではすごく大切な時間じゃないかなと」
ふくしま駅伝で58人抜きの伝説を作った今井さん。今年春に現役を引退し、4月からは母校の順天堂大学の陸上競技部でコーチを務めています。
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