高校のビジネス科の生徒が、岡山県鏡野町のイベントで一風変わった商品を販売しました。経済の仕組みを学んでもらおうと20年前に始まった取り組みで、今では販売を心待ちにするファンも大勢いるといいます。その「驚きの商品」とは?
秋の味覚祭に新たな名物
岡山県鏡野町で今月4日に開催された秋の味覚祭です。地域自慢のグルメや特産品が販売され賑わいをみせる中…。
「背中がオレンジの」「これですか?」
高校生が運営するこちらのブースでは珍しい商品が取り扱われていますなんと、錦鯉です。価格は500円から1万円。人気の品種が市場より安く買えるとあって開店前から長い行列が出来ていました。
一方、こちらは金魚…ではなく錦鯉の稚魚がゲットできる「鯉すくい」です。100円でチャレンジできるとあって格安で鯉を手に入れようと大人も子どもも真剣です。
(来場者)
「コイをもらえてうれしかった」「メダカと一緒に飼ってみようかなと思っています」
なぜ高校生が「錦鯉」
しかしなぜ、高校生がこんなことをしているのでしょうか。
(津山商業高校 芳原晨祐教諭)
「商業の学びを深めたり地域に少しでも貢献できるような…」
「こちらが飼育用のプールです」
なんとこの取り組み、授業の一環として行われているんです。津山商業高校ではビジネス学科の3年生を対象に20年前から錦鯉を活用した授業を行ってきました。
生徒自身が錦鯉の飼育や繁殖・販売に携わることで商品開発や流通といった経済の仕組みを実践的に学ぶユニークな体験学習なのです。
(世話をする生徒)
「この子たちがいいコイに育っていくんだなと思ったら売るのが悲しくなる時もあります」
それにしても、なぜこんな授業が生まれたのでしょうか。
(津山商業高校 三村隆史教諭)
「コイはなかなか購入できる場所がないので…」
岡山県北に錦鯉を取り扱う店がなかったため校内の教員の提案で試験的に販売してみたのだといいます。すると意外な反響が。
(津山商業高校 三村隆史教諭)
「多くの方が来られて今後も続けてほしいということで…」
500匹がおよそ2時間で売れた!
こうして全国でも類を見ない個性的な体験学習が誕生したと言う訳です。やがて・・・学習の総仕上げともいえる「販売実習」は、岡山県内の各地から愛好家が集う名物イベントとして知られるようになりました。
(コイを購入した人)
「1時間前から来て整理券をもらって買うことができた」「コイはもう、ここらへんじゃここだけじゃない」
今回の販売実習も大盛況。用意した500匹をおよそ2時間で売り尽くしました。
(錦鯉を販売した生徒)
「お客様ひとりひとりに満足してもらえるよう笑顔などに気をつけていました」「鯉を買ってくれた人に元気に大きく育ててもらいたいなと思います」
手塩にかけて育てた錦鯉は生徒たちに貴重な学びを与えてくれたようです。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。