北陸新幹線の敦賀から大阪までの延伸ルートをめぐり、福井県小浜市付近を通り京都駅へ、その先は京田辺市を南下し新大阪駅までつながることが決まっています。「小浜・京都ルート」です。
一方、このルートの建設費が当初予定の2倍となるおよそ5兆円に上ることや、京都府内を通るトンネル工事をめぐっての環境面への影響など、さまざまな課題も浮き彫りとなっています。
一方で、石川県内では県議会や加賀市、小松市議会などで、京都を通らず滋賀県・米原駅につなげる「米原ルート」の再検討を求める声が上がっています。
こうした中、14日都内では大阪までの全線開業を求める総決起大会が開かれました。それぞれの事情を抱える沿線自治体のトップらは、公の場でどう訴えたのでしょうか。
都内で開かれた大阪までの早期全線開業を求める大会。今回は関西広域連合などが主催し、大会名にも「総決起」の文字が加わりました。
「米原ルートを誰が望む?」 福井県・杉本達治知事は語気強め
福井県の杉本達治知事は、今もくすぶり続ける「米原ルート」を強く否定し、「北陸新幹線にとっては、今年の年末を政治決断の時にしてほしい」と語気を強めました。
福井県・杉本達治知事「米原ルート、一体全体これ誰が望んでいるんだろう。乗り換えが永続する、それから福井に限らず金沢富山も長野も沿線全部20分以上かかるし2000円以上高くなる。沿線の誰が納得するんでしょうか」
沿線自治体のトップの中では「小浜派」の急先鋒といえる杉本知事に続いて発言をしたのは石川県の馳浩知事でした。
杉本知事に同調の石川県・馳浩知事 具体的ルートには言及せず
この直後、挨拶を求められた石川県の馳浩知事も同調します。
石川県・馳浩知事「今ほどの杉本さんの思いがすべて。着工5条件のクリアと乗り換えなしで1日も早く大阪までつながるようにこの年末が大きな山場」
具体的なルートについて明言しなかったものの、「杉本知事の思いがすべて」だと述べました。
福井県選出・稲田朋美衆院議員「ここからほかのルートを検討するということ自体が、この北陸新幹線の最後の1ピースを埋めることについて、手戻りであり足を引っ張ることにしかならないんです。みなさん」
「米原派」の市長にはマイクが来ず 大阪・京都の知事は参加せず
沿線自治体の国会議員や福井県内の市長らが小浜・京都ルート実現に向けてあいさつする中、米原ルートの再検討を求めている小松市の宮橋勝栄市長のもとにマイクは回ってきません。宮橋市長は不満を漏らします。
小松市・宮橋勝栄市長「小浜ルートと言っている方々に無理が生じているなと。かなり実現性が乏しい大会運営になっているんじゃないかと率直に感じた」
一方、今後のキーマンと目される京都府知事と大阪府知事は大会に出席しませんでした。
与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームは、今年中に詳細な京都駅の位置やルートを決めたいとしていて、延伸ルートの問題は重要な局面を迎えようとしています。
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