「匿名・流動型犯罪グループ」、通称「トクリュウ」。SNSなどを通じてつながり、メンバーを入れ替えながら犯行を繰り返すグループのことで、指示役や首謀者が特定できず、組織の全容がつかみにくいのが特徴です。
「トクリュウ」を巡っては、高額報酬をうたってSNSで犯罪の実行役を募集する「闇バイト」が横行していて、関東を中心に強盗などの被害が相次いでいます。長崎県警は、「トクリュウ対策」の強化を目的としたプロジェクトチームを立ち上げました。

長崎県警のトクリュウ対策プロジェクトチームには、刑事部や生活安全部など5つの部が集まり、部署間で情報を共有することで資金の流れや組織の実態把握をめざします。

県警によりますと、県内でトクリュウによるのものとみられる事件はまだ確認されていませんが、県警は危機感を強めています。

長崎県警 門脇隆仁首席参事官:
「匿名・流動型犯罪グループの壊滅・弱体化を図るには実行役やリクルーターの検挙ももちろん大切ですが、グループの中心的な役割を果たす者をいかに検挙していくかがきわめて重要です」

一度、関係を持つと個人情報を握られ抜け出すのが難しい闇バイト。県警では、万が一関わってしまった場合は、最寄りの警察署や相談ダイヤル「#9110」に連絡するよう呼びかけています。

トクリュウから身を守るには?

トクリュウによる強盗などの被害から身を守るためには、どうすればよいのか。大手警備会社のセコムによりますと、最も重要なのが自宅の開口部の強化です。

在宅時でも窓や玄関のカギは閉めておくほか、補助錠を取り付けることで侵入までの時間を稼ぐことができます。仮に在宅時に侵入された場合の「避難ルート」を、事前にイメージしておくことも大切です。

まずは身の安全を第一に、外に出られなかった場合でも内開きで施錠できる部屋があれば安全を確保するのに役立ちます。

また、トクリュウから狙われないためには、資産や個人情報の管理も重要になるので、安易にSNSで発信したり、ウェブ上や電話で誰かに聞かれても不用意に教えないようにしてください。

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