能登半島地震で被災し、東京都青梅市の明星(めいせい)大青梅校に一時避難している日本航空高石川(石川県輪島市)は30日、例年よりも3週間遅れで始業式を開いた。同県の馳浩知事も来賓として出席し、来年度には輪島市の元の校舎を使用できるよう復旧に取り組む考えを伝えた。

◆馳知事が復旧約束「来年は輪島に戻れるように」

 始業式には高校2、3年の生徒とともに、日本航空大学校石川の学生ら計約600人が出席。馳知事はあいさつで、現在、各地から派遣されている自治体職員らの宿泊場所に充てられている元の校舎について「来年4月に皆さんが戻れるように校舎をお返ししたい」と述べた。

始業式に臨む日本航空高石川の生徒ら=30日、東京都青梅市で

 普通科3年の古谷悠晴(ひさはる)さん(17)は、輪島市の「輪島朝市」近くの自宅が半壊し、両親が経営していた郷土料理店は全壊した。「地元に帰りたい気持ちはあるけれど、友達と一緒に授業を受けたり部活動をしたりすることが楽しい。次のステップに進むためにも、ここで頑張りたい」と話した。  始業式に先立ち、馳知事は、運営する学校法人日本航空学園(山梨県甲斐市)の梅沢重雄理事長の案内で仮設寮などを視察。「輪島のときと同様に、生徒学生が希望とやる気に満ちた目をしていてほっとした。青梅でしっかり学んで、輪島に戻ってくることを楽しみにしている」と語った。  輪島市の元の校舎は、ひび割れや断水などの被害を受けた。運営する学校法人日本航空学園(山梨県甲斐市)は当初、系列校のある山梨キャンパスに仮設校舎などを整備する予定だったが、資材高騰などで難航。東京都の仲介により、明星大を運営する学校法人明星学苑(東京都日野市)が青梅校の施設を無償提供し、約860人の生徒らが学ぶことになった。4月22日から対面授業を再開しており、5月6日には高校と大学の合同入学式がある。(昆野夏子) 

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