凄惨な暴行と常軌を逸した強要行為の末に、同居女性を死亡させた22歳の男。4月16日に2審判決が大阪高裁が言い渡される。事件や裁判、そして記者との面会での “反省なき” 言動などを振り返る。

女性の全身を殴る蹴る 腹部踏みつけるなど凄惨な暴行… エアガンも

1審判決によると、山中元稀被告(22)は去年5月、大阪府泉佐野市の自宅で、同居していた女性(当時18)に対し、▽全身を多数回殴る蹴る ▽腹部を踏みつける ▽エアガンでプラスチック弾を発射するなどの暴行を加え、出血性ショックで死亡させた。

「一生かけて拷問していこか」「口放り込めや!」戦慄の強要行為を自ら動画撮影

廷内スケッチ(去年11月の1審公判)


さらに山中被告は「全部なめまわせ」「髪の毛食えや」「はよ飲めや」「口放り込めや」などと被害女性を脅し、床に広がった血をすすらせたり、被告が引きちぎった髪の毛で血を拭き取らせ、その束を口に含ませたりするという、異常な強要行為に及んだ。

《裁判で公開された音声》
(被告)「全部なめまわせ」「髪の毛食えや」「おいしい?」「はよしいや」
(女性)「これだけは…無理」
(被告)「それで許したるって言ってんねんで、俺」

(被告)「20、19、18、17、16、15…」
(女性)「待って…」
(被告)「待たへんから!」「はよ飲めや、許したるって言うてんねん!」「飲み込んだらええだけやん」「一生かけて拷問していこか」「口放り込めや!」

山中被告はこの様子を携帯電話で動画撮影。その後に動画を削除したが、捜査当局が復元に成功した。

「自分の怒りをどのような形で伝えるかで、いっぱいいっぱい」

事件現場(大阪府泉佐野市)


1審で山中被告側は起訴内容を認めたうえで、自ら暴行を警察に申告したので自首が成立すると主張した。

犯行の動機については、被害女性が別の男性と関係を持ったことだったと説明した。“被害女性と出会った自分は不運だ” と思っているとも受け取れる発言もあった。

山中元稀被告(1審の被告人質問)
「悲しさ、苦しさ、いろんな感情が入り混じっていたのと、アルコールが入っていたので自制が利かないような状態でした」
「自分の怒りをどのような形で伝えるかで、いっぱいいっぱいでした。その手段として暴力(に訴える)しかなかった」
「女性が説明した理由が『酔っていて気が浮いていた』『僕にやきもちをやかせたかった』だったので納得できませんでした。女性からアプローチがあり、告白があり、渋々というか、一緒にいる時間が長くなって、付き合うことになりましたが…」


「被害者の尊厳を蹂躙した残忍で悪質な犯行」1審判決は懲役12年

廷内スケッチ(去年11月の1審公判)


大阪地裁堺支部(荒木未佳裁判長)は去年11月の判決で、「被告の申告内容は“被害者が包丁を持って襲ってきたため暴行を加えた”というもので、明らかに正当防衛を意識したウソをついており、自首は成立しない」と指摘。

「一連の暴行は、もはや拷問ともいうべきで執拗かつ苛烈。非情な強要行為は、被害者の尊厳を蹂躙(じゅうりん)した残忍で悪質な犯行だ」と糾弾し、山中被告に懲役12年を言い渡した。

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