いわゆる「闇バイト」の募集をしたとして、11月に暴力団幹部の男が逮捕された事件で、熊本県警は11月12日、福岡県久留米市にある暴力団の本部事務所を家宅捜索しました。

家宅捜索は、11月5日に職業安定法違反の疑いで指定暴力団・道仁会系組幹部の西村達哉(にしむら たつや)容疑者(27)が逮捕されたことを受けて行われたものです。※「西」は旧字体

警察によりますと、西村容疑者は10月10日から20日までの間、SNS上に「短期間で高収入、やりたい人いたら連絡ください」などと投稿し、詐欺の「受け子」や「出し子」などを募集した疑いが持たれています。

熊本県警の捜査員ら35人態勢で行った12日の家宅捜索では、道仁会の本部事務所と福岡県内の関係先のあわせて2か所から資料などを押収したということです。

警察は、闇バイトで得た金が暴力団の資金源になっている可能性があるとみて、捜査を進めています。

「トクリュウ」と暴力団との関係は?“直接”ではなくても…

匿名・流動型犯罪グループ=「トクリュウ」が、今回の事件にも関与していると警察は見ています。

「トクリュウ」では、詐欺や強盗など特定の犯行を行うグループが仲介役に仕事を依頼し、仲介役がリクルーターに実行役の手配を依頼する構図になっています。11月1日にリクルーターとみられる10代の姉弟が逮捕されていて、警察は、西村容疑者がリクルーターのトップにいたと見ています。

暴力団は直接関与するのではなく、犯罪グループが実行役にプレッシャーをかけるため名前を貸すなど後ろ盾となることで、犯罪で得た金の一部を受け取っているとみられています。

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