韓国の尹錫悦大統領=2023年4月26日、秋山信一撮影

 来年1月に米国でトランプ次期大統領が就任するのを前に、韓国政府が外交の準備を加速させている。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は10日に対応を協議する緊急会議を開催。安倍晋三元首相がトランプ氏との「ゴルフ外交」を土台に個人的関係を築いたことを参考に、尹氏はゴルフの練習も始めたという。

 尹氏とトランプ氏は、7日の電話協議で早期に首脳会談を行うことで合意。韓国メディアによると、尹氏は周囲の助言で8年ぶりにゴルフの練習を始めた。

 韓国国内では次期トランプ政権下で外交や国内企業の活動への悪影響を懸念する声が出ている。尹氏は10日の会議で最も変化が予想される分野に通商をあげ、企業との緊密な対話を指示。安全保障分野については、米韓同盟を土台に北朝鮮に対する抑止力を維持し、「両国がアジア太平洋地域で平和と繁栄のリーダーシップを持つ」ための準備を求めた。

 会議ではこの他、重要原材料の供給網強化や、トランプ氏が関心を示している造船業分野での協力などについて議論した。大統領府の成太胤(ソンテユン)政策室長は会議後の記者会見で「不確実性と課題があるのは事実だが、対応次第でチャンスになるものも多い。あらゆる可能性を念頭に置いて徹底的かつ冷静に影響を分析し、備える」と述べた。【ソウル日下部元美】

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