米大統領選(5日投開票)で当選を確実にした共和党のトランプ次期大統領は9日、最後まで勝敗が決していなかった西部アリゾナ州でも勝利を確実にした。米主要メディアが報じた。激戦7州を全て制し、選挙人の獲得数は初当選した2016年大統領選を上回る312人に達した。
報道によると、アリゾナ州は郵便投票の署名の確認作業などに手間取って開票が長引いているが、途中経過でリードしているトランプ氏が民主党のハリス副大統領を上回るのが確実になった。
メキシコと国境を接しているアリゾナ州は、中南米系の住民が約3割を占めている。20年大統領選ではバイデン氏(現大統領)が民主党候補として24年ぶりに制したが、今回は物価高(インフレ)や不法移民の増加への不満を背景にトランプ氏が中南米系にも支持を広げて勝利した。
ハリス氏は大統領選と同時に実施された人工妊娠中絶を巡る住民投票を意識し、中絶の権利擁護を訴えて支持拡大を図った。住民投票では中絶容認派が勝利したが、ハリス氏は容認派の票を取り込みきれなかった。
米大統領選は、人口などに応じて全米50州と首都ワシントンに割りあてられた計538人の選挙人の獲得数を競う。ハリス氏は事前に有利と予想された州では全て勝利し、226人の選挙人を獲得したが、勝敗のカギを握る激戦7州で全敗を喫した。【ワシントン秋山信一】
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