BRICSサミット出席のため空港に降り立つイランのペゼシュキアン大統領=ロシア中部カザンで2024年10月22日、AP

 イスラエルや米国と敵対するイランの政府報道官は6日、米大統領選でトランプ氏が勝利宣言したことについて「必要な予測は事前に行っている。国民の生活に変化はない」と語り、選挙結果を静観してみせた。イランメディアが報じた。ただ、トランプ氏はイランに対する強硬策を取るとみられており、対立が激化する可能性が高い。

 トランプ氏は在任中の2018年、イランが核開発を制限する代わりに欧米の経済制裁を解除する「核合意」から離脱し、制裁を復活させた。イランのペゼシュキアン大統領は核合意の再建に意欲を示しているが、トランプ政権との交渉は難航が予想される。

 一方、イスラエルとの対立を巡っては、イランは10月下旬に受けた空爆への再報復を検討している。イランメディアによると、イランの精鋭軍事組織・革命防衛隊のファダビ副司令官は「米国やシオニスト政権(イスラエル)が先制攻撃をしかけようとも、イランの作戦を止められないだろう。イランと抵抗戦線(親イラン武装組織)は(再報復の)用意ができている」と語り、再報復の意思を改めて強調した。

 イスラエルによるイラン空爆は核・石油施設への攻撃も検討されたが、紛争激化を懸念する米バイデン政権の反対もあり、標的は軍事施設に絞られた。だが、トランプ氏は今後、イスラエルによる核施設などへの攻撃も容認する可能性がある。【カイロ金子淳】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。