アメリカ大統領選挙で優勢が伝えられる共和党のトランプ氏がフロリダ州の集会場で支持者を前に演説し、「これからの4年間は素晴らしいものになる」と述べ、事実上の勝利宣言をしました。トランプ氏の演説には力強さだけではなくて穏やかさも感じたということですが、その演説の発言をまとめました。「すべてを取り戻すために仕事をする」「国境に壁をつくり移民を止める」などの発言について、中村徹元アメリカ総局長の解説です。

 やはり「国境に壁をつくって移民を止める」ということと「戦争を終結させていく」。これは選挙中からトランプ氏がずっとやりますと言っていたことであったので、この演説の中でも公約通り約束を守るんだということを言ったと思います。

 (Q.トランプ氏の公約、実現性は?)
 今の2つで見ると「移民規制の強化」。これはアメリカ国内のことになるので、比較的やりやすいだろうと。やはり移民問題がこれだけクローズアップされ、それで選挙で信を問うて勝ったわけなので、アメリカ国民もこれには8年前よりもだいぶ付いてくるだろうと思います。

 やはり問題なのは「ウクライナ戦争の終結」。これはやはり、アメリカ国内で完結する話ではないので、プーチン大統領がいて、そして関係するヨーロッパの国々もあります。公約通り戦争を比較的、早期に終結させることができるのか、トランプ新大統領になった場合の一番最初に実力が問われるところになると思います。

 (Q.日本への影響は?)
 円安や関税引き上げの影響があると思います。さらに言えば、石破総理大臣の肩にかかってくる部分が多いと思います。8年前、あまり政治の専門ではなかったトランプ氏が就任した時には、当時の安倍総理が日本にとって最小限のダメージになるようなプレゼンをして、うまくトランプ氏の相談相手になることにより、日本に向けて変なルールができないようにしたのですが、もう8年前とは違いますから、そこに対して石破総理がトランプ氏とどんな関係を築き、同盟国の日本にはマイナスのないような持っていき方ができるかというのは非常に注目になると思います。

 (Q.8年前もトランプ氏は関税を引き上げるということを言っていたが?)
 はい。ただ、そのなかでトランプ氏のなかにも結構、事実誤認がありました。テレビや車を日本はずるしてアメリカに輸出してもうけていたと。その誤解を解き、そうではないんだよと持っていった経緯が8年目はありました。安倍さんを含めたチームの力は非常に大きかったと思います。

 (Q.円安に進んでいくか?)
 早速、トランプ氏に有利になるにつれて円安が進み、株高にも進んだということになっています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。