入り口を仮設の壁で覆った建物の前を通る人=ワシントンで2024年11月5日、八田浩輔

 米国の首都ワシントンは厳戒態勢が敷かれる中で5日の大統領選投票日を迎えた。前回の大統領選後に、不正があったと主張する共和党のトランプ前大統領の支持者らが連邦議会議事堂を襲撃した事件をふまえ、地元当局や事業者は騒乱に身構えている。

 シークレットサービス(大統領警護隊)はホワイトハウスやハリス副大統領の公邸、政府機関にコンクリートのブロックや金属製の柵を新たに設置し、警戒を強化。地元警察は投票所や重要施設に警察官を重点配備し、ドローン(無人機)などで空からも監視を続ける。

入り口とすべての窓を木の板で覆ったカフェ=ワシントンで2024年11月5日、八田浩輔撮影

 ホワイトハウス近くの飲食店や薬局が入る建物では、暴動対策としてすべての入り口や地上階のガラス窓を木の板で覆って保護していた。地元紙ワシントン・ポストによると、警備員を一時的に増員した不動産事業者もあるという。

 米公共ラジオNPRなどが今月実施した世論調査によると、回答した有権者の7割超が選挙の結果を受けた暴力を懸念していた。2021年1月には前年秋の大統領選に不正があったと主張するトランプ氏の支持者たちが連邦議会議事堂を襲撃し、一時的に占拠した。【ワシントン八田浩輔】

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