アメリカ鉄鋼大手「USスチール」の株主総会で、日本製鉄による買収計画が賛成多数で承認されました。

 USスチールは12日、日本製鉄によるおよそ2兆円の買収計画を巡って臨時の株主総会を開催し、株主の大多数の賛成で承認されました。

 USスチールのブリットCEOは声明で、日本製鉄による買収は「従業員や地域社会にとって最善の道筋を示すものだ」と強調しました。

 一方、USW(全米鉄鋼労働組合)は買収に反対の姿勢を崩していません。

 日本製鉄は9月までの買収完了を目指していますが、USWからの強硬な反対に加えて、安全保障上の問題がないか調べる規制当局の審査も長引く可能性が指摘されています。

 USスチールの拠点があるペンシルベニア州は大統領選有数の激戦州です。

 労働組合を重視するバイデン大統領は先月、「USスチールはアメリカ企業であり続けることが不可欠」と買収に難色を示す声明を出したほか、10日の日米首脳会談後の共同記者会見でも、「私はアメリカの労働者への約束を守る」と述べています。

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