中国の習近平国家主席

【北京=三塚聖平】中国外務省は29日、習近平国家主席がフランス、セルビア、ハンガリーを5月5日から10日までの日程で訪問すると発表した。米国が対中圧力の拡大を同盟国などに呼び掛ける中、中国は欧州各国との関係強化を急いでいる。

いずれも各国による招待を受けた訪問と説明している。中国外務省の林剣報道官は29日の記者会見で、習氏の外遊について「フランス、セルビア、ハンガリー並びに中欧関係全体の発展に重要な意義があり、世界の平和発展にも新たなエネルギーを注入する」と強調した。

フランスではマクロン大統領と会談する。中仏両国は今年、国交樹立60年を迎えた。経済分野などで協力を打ち出すほか、ロシアによるウクライナ侵略も主要議題になる見通し。

セルビアとハンガリーは、習氏肝いりの巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて中国と経済的な結びつきが強い。また、1999年に当時のユーゴスラビアの首都ベオグラード(現セルビア)の中国大使館を、米国を主力とする北大西洋条約機構(NATO)軍が誤爆してから5月で25年となるため、追悼行事などが行われる可能性がある。

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