米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は10月31日、CBSニュースが10月に行った民主党候補のハリス副大統領のインタビューを不当に編集し、選挙で民主党が有利になるように試みたとして、CBSに100億ドル(約1兆5200億円)の損害賠償を求める訴えを南部テキサス州の連邦地裁に起こした。
訴えによると、CBSはハリス氏のインタビューを二つの番組で報じた。中東情勢を巡る「イスラエルのネタニヤフ首相は(米政府側の意見を)聞いていないようだ」との質問に対して、両番組ではハリス氏の回答の異なる部分を放送。最初の番組では意味が不明瞭だったが、名物番組「60ミニッツ」では「戦争を終わらせる必要があるという立場ははっきりしており、米国にとって必要なことを追求していく」と明確に答える場面が放送された。
これについて、トランプ氏は「国民を混乱させ、だまし、ミスリードし、大統領選を民主党有利に傾けようとした。60ミニッツを使って、ハリス氏の『ワードサラダ(意味が通らない文章や発言)』を取り繕おうとした」と主張。また、インタビューの発言録の全文を公開するよう求めたが、CBSが応じなかったとしている。
この問題を巡って、トランプ氏はCBSの放送免許の剥奪を主張。CBSは「トランプ氏の主張は虚偽だ。両番組は同じ回答の異なる部分を放送した」と反論していた。【ワシントン秋山信一】
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