南米ウルグアイで27日、中道右派ラカジェポー大統領の任期満了に伴う大統領選が実施された。当選に必要な過半数の票を得た候補はおらず、野党の左派「拡大戦線」(FA)のヤマンドゥ・オルシ前カネロネス県知事(57)と与党「国民党」のアルバロ・デルガド前大統領府長官(55)の上位2候補が11月24日の決選投票に進んだ。
ウルグアイは、FA政権時代の2018年に中国の経済圏構想「一帯一路」の覚書に署名するなど、対中関係を強めてきた。オルシ氏が当選すれば、対中関係がより強まる可能性がある。
大統領選には11人が立候補した。地元紙パイスがまとめた選挙管理当局のデータによると、開票率99・92%時点の得票率はオルシ氏が43・94%で首位、デルガド氏が26・77%で2位。
オルシ氏は、その清貧さから「世界一貧しい大統領」として知られたムヒカ元大統領から支援を受けている。決選投票に向けて、今後は保守勢力がデルガド氏の支持に回るとみられる。
最大の争点は中道右派政権への評価だ。ラカジェポー政権は堅実な経済政策を取ったが、治安面で課題を残した。ウルグアイは南米でも比較的安全な国と言われてきたが、近年は南米産コカインを含む麻薬の密輸の中継地となり、犯罪組織が暗躍するなど治安が悪化している。【ニューヨーク中村聡也】
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