米国防総省のシン副報道官は28日の記者会見で、北朝鮮からロシアに派遣された兵士が1万人に上るとの最新の分析を明らかにした。その一部は既に、ウクライナ軍が越境攻撃中の露西部クルスク州方面に移動しているとみられるという。
米国と韓国は31日にワシントンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開く予定で、露朝の軍事協力についても議題になる見通しだ。
シン氏によると、北朝鮮の兵士らは訓練のためにロシア東部へ派遣された。米国はこれまで、派兵規模を3000人とみていたが、大幅に増加した格好だ。シン氏は「(兵士不足などで)プーチン露大統領の絶望が深まり続ければ、(北朝鮮の)派兵人数はさらに増える可能性がある」との認識を示した。
シン氏は、派兵された部隊や装備などの詳細な情報は把握していないとしつつ、「ロシアが北朝鮮兵をクルスク州での戦闘に投入したり、支援をさせたりするつもりではないかとの懸念を深めている」と述べた。
一方、米国務省のミラー報道官は28日の記者会見で、米政府が中国に対して、北朝鮮によるロシアへの派兵について懸念を伝えたと説明した。その上で、「我々は以前から中国はこの地域で影響力があり、不安定化を招くロシアや北朝鮮の行動を懸念すべきだと伝えてきた」と述べた。【ワシントン松井聡】
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