11月5日に迫る米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領は27日、地元のニューヨーク中心部で大規模な選挙集会を開いた。トランプ氏を支持する多くの著名人を演者にそろえ、これまで選挙集会にほとんど姿を見せなかった妻メラニアさんが予告なしで演説して支持を訴えるなど、最後の追い込みを図った。
トランプ氏は演説で、在宅で家族を介護している人を対象にした税控除を実施すると新たに表明した。今回の選挙戦ではサービス業の従業員が受け取るチップや残業代の非課税化などを訴え、中低所得者層を取り込むためのアピールを続けてきた。
また移民対策では、中南米からの不法移民による犯罪を印象づける映像を流し「(就任した)初日に犯罪者を追い出すための米史上最大の強制送還プログラムを実施する」と主張した。
会場のマディソンスクエアガーデンは「世界一有名なアリーナ」とも評される。ニューヨークは民主党が優勢な土地だが、2万人以上を収容する会場はトランプ氏のグッズを身につけた支持者らで埋め尽くされ、実業家のイーロン・マスク氏や元プロレスラーのハルク・ホーガン氏ら著名人が応援演説に立った。
会場近くでは民主党のハリス副大統領の支持者らも集まり、道路を挟んでトランプ氏の支持者とにらみ合った。互いに「くたばれ!」「家に帰れ!」などとののしり合い、トランプ派が接近して挑発を繰り返す場面もあった。
トランプ氏を支持するブランドンさん(35)は「カマラ(ハリス氏)が勝てば、トランプ派の多くは怒り狂う。前回(の大統領選と)同様、『選挙は盗まれた』と多くの人が主張するだろう」と述べた。
一方、ハリス氏を支持するノエルさん(18)は「トランプが勝てば米国の民主主義は地に落ちる。(ナチス・ドイツの指導者)ヒトラーを肯定するような発言をする人物を国のリーダーにすべきでない」と語気を強めた。【ニューヨーク八田浩輔、中村聡也】
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