イスラエル軍が26日未明に行ったイランへの報復攻撃を巡り、米国のシンクタンク「科学国際安全保障研究所」(ISIS)は26日、X(ツイッター)への投稿で、イランが過去に核兵器関連の実験に使用していたとされる施設が破壊されたとみられると指摘した。イランが将来的に核兵器の開発に踏み切る場合、この施設は「本質的な価値」を持っていたという。
ISISによると、衛星画像の分析で、首都テヘラン郊外パルチンの「タレガン2」と呼ばれる建物が破壊されたと判明した。この施設ではかつて核兵器の製造に必要な高性能爆薬の実験などが行われた疑惑があるが、国際原子力機関(IAEA)の査察官は一度も訪れたことがないという。
イランは2002年、核兵器開発疑惑を反体制派に暴露され、欧米などから経済制裁を科されるようになった。イラン側は核開発は「平和利用」が目的だと主張している。
イランの核開発を巡っては、15年にイランが核兵器に必要な高度なウラン濃縮などを制限する代わりに欧米が制裁を解除する「核合意」が締結された。だが、18年にトランプ政権当時の米国が一方的に離脱したため、イランはウラン濃縮を再び加速させている。イスラエルは敵対するイランの核開発を重大な脅威と見なし、核合意にも反対した。【カイロ金子淳】
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