米東部ペンシルベニア州ランカスター郡の検察当局は25日、11月の大統領選に向けた有権者登録で不正な申請があった疑いがあり、捜査を進めていると発表した。同州は大統領選の激戦州の中でも最も注目されているが、共和党のトランプ前大統領の陣営は以前から「有権者登録のチェックに問題がある」と主張していた。
米国では行政が自動的に有権者登録をする仕組みはなく、自らが投票前に「有権者登録」手続きを済ませる必要がある。
当局の発表によると、郡選管が、10月21日の有権者登録の締め切り間際に提出された約2500件の申請書をチェックした際、同じ筆跡による複数の申請があったり、誤った住所が記載されたりしていることに気づいた。これまでに精査が終わった分では約6割に不正の疑いがあるという。不正な申請の場合、登録は受理されない。
地元メディアによると、捜査対象になっている申請書は、ショッピングセンターや公園などで有権者登録を呼びかける団体の活動を通じて集められたという。検察当局は団体の詳細を明かしていないが、「組織的な不正が行われた可能性がある」と指摘している。
大統領選を巡って、トランプ氏は「公正な選挙」に限って結果を受け入れるとの姿勢を示している。【ワシントン秋山信一】
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