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<黒海に面したドニプロ川河口のキンブルン砂州はミコライウ港に発着する艦船を支配できる重要な地点に位置する戦略的な要衝とされている>
ウクライナ軍は、ロシア軍が占領する南部ヘルソン州キンブルン砂州を攻撃したと発表した。この攻撃の様子だとする新たな映像には、ロシア部隊の陣地と見られる海辺の場所に集中的な爆撃が行われ、周囲一帯に多くの水柱や煙が上がる様子が映っていた。両国の戦争は黒海周辺のほか、ウクライナ東部およびロシア南部でも激しい衝突が続いている。
■【動画】ロシア軍の拠点が「集中爆撃」受ける瞬間映像を公開...黒海沿いの要衝キンブルン砂州でウクライナ「急襲」攻撃
国内南部を拠点とするウクライナ軍は、「キンブルン砂州に集結した敵に対する攻撃」とする短い映像を公開した。映像では、海に近い陸地が爆撃され、水柱や煙が上がっているように見える。本誌は、この映像を独自に検証できていない。
現在ロシアが占領しているキンブルン砂州は、ドニプロ川の河口に位置し、ウクライナのミコライウ港に発着する船舶を支配することができる。ウクライナは、2022年後半にヘルソン州で最初の反攻作戦を展開し、ロシア軍をドニプロ川東岸に押し戻した。ドニプロ川東岸は、この地域の戦闘の前線となっている。
ウクライナ南部の戦闘は、東部ドネツク州やロシア西部クルスク州などで行われている、より激しい衝突に比べるとあまり注目されていない。ロシアのクルスク州では、ウクライナ軍が国境を超えて奇襲作戦を開始してから数カ月が経過している。
ウクライナ南部の軍高官、セルヒー・ブラチュクは10月前半、ロシアは「黒海北西部への圧力を維持できるため、この地に固執している」と述べた。
キンブルン砂州は領土の解放に不可欠な戦略的要衝
ウクライナは、黒海北西部に駐留するロシア軍を脅かしており、ドローンとミサイル攻撃を組み合わせて、同地域のロシア艦隊に打撃を与えている。ウクライナと欧米の情報機関は、ロシアが黒海艦隊の代替基地であるノヴォロシースクに向けて、多くの艦船をさらに東に移動させたと分析している。
ウクライナ軍高官のブラチュクは、ウクライナ国営報道機関ウクルインフォルムに対し、「今日、キンブルン砂州への攻撃が直ちに行われるとは言えない」としながらも、「問題はキンブルン砂州を解放するかどうかではなく、いつ解放するかだ」と述べている。
「キンブルン砂州周辺の防衛軍の行動は段階的で、戦闘作戦は定期的に行われている」とブラチュクは説明した。「目的は明確だ。この地の敵の人員や装備を排除し、防衛力を弱めることだ。この砂州は、我が国の領土における前進と解放に不可欠な戦略的要衝だ」
ウクライナ国防省情報総局(GUR)は8月前半、キンブルン砂州にあるロシア軍陣地に対する急襲攻撃を開始したと発表した。この作戦で、ロシア兵「三十数人」が死亡し、装甲車両を破壊したという。
「キンブルン砂州は、一時的に支配されているウクライナの他の領土と同様、解放される」とGURは述べた。
ウクライナ保安庁(SBU)の情報筋が5月に本誌に語ったところによると、ウクライナ軍はキンブルン砂州周辺のロシア軍拠点を狙うため、改良した水上ドローンを使用しているという。
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