記者会見を開くロシアのプーチン大統領=露中部カザンで2024年10月24日、AP

 ロシアのプーチン大統領は24日、露中部カザンで開かれたBRICS首脳会議の閉幕後の記者会見で、ウクライナでの「特別軍事作戦」を巡る北朝鮮の派兵について問われ、否定しなかった。その上で、露朝間で結んだ有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約に言及し、「条約の履行についてしかるべき交渉を行う用意がある」と述べた。

 プーチン氏は、北朝鮮の部隊がロシア領内にいるとされる画像があるとの質問を受け、「もし画像があるというのであれば、何かを反映しているということだ」と否定も肯定もせずはぐらかした。韓国の情報機関、国家情報院が18日にロシア極東地域の軍事施設に集められた北朝鮮の部隊とされる衛星画像を公表していた。

 プーチン氏は露下院が24日に条約の批准についての関連法案を可決したことに触れ、いずれかの国が武力攻撃を受け戦争状態になった際に、もう一方の国が軍事援助を提供することを定めた条項があることを強調。「北朝鮮の指導部が我々との合意を真剣に受け止めていることを全く疑ったことがない。何をどうするかは我々次第だ」と断言し、北朝鮮と連絡を取り合っていることを明かした。

 一方で、ウクライナ情勢を巡っては欧米諸国が新たな段階としてウクライナ側を積極的に武装させ始めたと主張。北大西洋条約機構(NATO)諸国が直接関与し、米国製地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」や英国製巡航ミサイル「ストームシャドー」などの長射程兵器の使用を行っていると訴えた。【モスクワ山衛守剛】

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