中国やロシアなど有力新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議が22日、ロシア中部カザンで開幕する。議長国ロシアにとって、ウクライナでの「特別軍事作戦」が始まって以降、国内で開催する最大規模の国際会議。枠組みのさらなる拡大を目指し、新たに「パートナー国」の創設も検討する見通しで、欧米による対露制裁に加わっていない新興・途上国の取り込みを進める構えだ。
ロシアのプーチン大統領は期間中、参加国の首脳らとの2国間会談を実施する予定で、22日にはインドのモディ首相と会談。中国の習近平国家主席とも会談する。
今回の首脳会議は加盟国が9カ国に拡大して以降、初めての開催となる。ロシア側の説明によると、36カ国が参加し、そのうち22カ国は首脳級が出席する予定。
23日に開かれる本会議では「世界の公平な発展と安全保障のための多国間主義の強化」を掲げ、ウクライナや中東情勢についても協議される。BRICSは主要な決済手段としての米ドル依存からの脱却も目指しており、ロシアは代替システムの構築を提案する見通しだ。
24日にはアジアやアフリカの招待国など30カ国以上が参加する拡大会合も予定され、最後に総括文書として「カザン宣言」を発表する。
中露首脳の会談は、プーチン氏が通算5期目の初の外遊で5月に中国を訪問して以降、3回目で、緊密な連携をアピールしたい考えだ。プーチン氏は南アフリカのラマポーザ大統領とも個別に会談する。非公式の夕食会も催される。
プーチン氏は18日、首脳会議を前にした参加国の主要メディアとの会合で、「BRICSは加盟国の経済的潜在力が高まるにつれて世界での影響力も増すだろう」と話している。【モスクワ山衛守剛】
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