2017年公開の米SF映画「ブレードランナー2049」の製作会社が21日、米電気自動車(EV)テスラとイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を著作権法違反の疑いで西部カリフォルニア州の裁判所に提訴した。10月上旬のテスラ主催のイベントで、作品を象徴する静止画像の利用を拒否したにもかかわらず、無断で使用したと訴えている。
訴状によると、テスラは製作会社に、イベントでブレードランナーの静止画像の使用を許可するよう要請。製作会社はこれを拒否し、テスラやマスク氏と作品との関係を推測させる表現を控えるよう求めた。
だが、イベントでは作品を象徴するような静止画像が11秒間にわたって流された。製作会社は、生成人工知能(AI)に本物の静止画像を読み込ませて作った「フェイク画像」だと主張している。
製作会社は「テスラの販売促進のため、作品ブランドを不正利用した」と批判。「(ブレードランナーの)ブランドは他の自動車メーカーとの提携を協議しており、将来混乱を招く恐れがある」と訴え、無断使用した画像の差し押さえと損害賠償を求めている。
テスラは今月10日にカリフォルニア州で自動運転タクシー「ロボタクシー」の試作車の発表イベントを開催。業績挽回を狙った肝いりイベントで、リアルタイムでネット配信していた。マスク氏はイベントで問題画像が流れている間、「私はブレードランナーを愛している」と話していた。
ブレードランナーは1982年に公開された名作SF作品で、17年に続編の「2049」が公開された。テスラは、作品に登場する近未来的な自動車をイメージして23年発売のEVピックアップトラック「サイバートラック」のデザインを決めたとされる。【ワシントン大久保渉】
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