米東部ペンシルベニア州にあるファストフード大手マクドナルドの店舗で、ドライブスルーの対応窓口に立つトランプ前大統領=2024年10月20日、AP

 米ファストフード大手「マクドナルド」は21日までに、従業員向けの文書で「公職の選挙でいずれかの候補者を支持することはなく、(11月の)次期大統領選も同様だ」と説明した。AP通信が報じた。共和党候補のトランプ前大統領が20日にマクドナルドの店舗で従業員体験を披露したことを巡り、ソーシャルメディアなどで同社商品のボイコットを呼びかける動きが出ており、早期に釈明したとみられる。

 報道によると、トランプ氏側は東部ペンシルベニア州の店舗のフランチャイズオーナーに事前に訪問を打診。オーナーから相談を受けたマクドナルド社は「我々が重視している『誰にもドアを開く』という価値観」を理由に、トランプ氏の受け入れに同意したという。

 マクドナルド社は民主党候補のハリス副大統領が「学生時代にマクドナルドで働いていた」と発言していることについては、「(当時の)1980年代前半にさかのぼって、すべての従業員の記録があるわけではない」と説明する一方、「ハリス氏の良い思い出になっていることは誇らしい」とした。

 トランプ氏は「ハリス氏はマクドナルドで働いたことはない」と一方的に主張している。

 トランプ氏は激戦州のペンシルベニア州で「庶民派」を演出するため、フライドポテトを揚げる姿などをメディアに披露した。一方、民主党の副大統領候補である中西部ミネソタ州のウォルズ知事はXへの投稿で「トランプ氏はマクドナルドの従業員のコスプレをしているが、ハリス氏と私は実際に雇用を生み出し、労働者のために立ち上がってきた」と皮肉った。【ワシントン秋山信一】

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