ウクライナ侵攻を続けるロシアを支援するために北朝鮮が軍の特殊部隊などを派遣したとされる問題を巡り、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は21日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と電話協議した。
韓国大統領府の発表によると、ルッテ氏は、韓国、ウクライナ、NATO間の防衛産業協力と安全保障対話を強化していくと応じた。この問題が韓国の対露外交・安保姿勢に影響を及ぼしている模様だ。
尹氏は北朝鮮の特殊部隊がロシアに派遣され、訓練を受けているのを確認したと説明。NATOの情報共有システムへの加入を希望した。ルッテ氏は「深刻な懸念」を示し、情報共有のためにNATOへ韓国の代表団を送るよう求めた。
一方、韓国外務省の金烘均(キム・ホンギュン)第1次官は21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び出し、北朝鮮軍の撤退と軍事協力の中止を求めた。
韓国外務省によると、金氏は派兵について「国際社会にとって重大な安全保障上の脅威だ」と指摘。「最も強い言葉」で糾弾し、韓国の安保を脅かす行為に対しては「国際社会と共に可能な全ての手段で対応していく」と警告した。
ジノビエフ氏は、韓国政府の立場を露政府に報告すると伝えたという。
露朝両国は6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結した。
韓国の国家情報院は10月18日、対露支援のために北朝鮮が特殊部隊の隊員約1500人を露極東ウラジオストクに派遣したと発表。「(侵攻に)参戦を始めた」との見方を示していた。【ソウル日下部元美】
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