地下トンネルに潜んでいるとみられた人物は、崩れかけた建物の2階にいた――。イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの最高指導者シンワル氏の殺害直前とされる動画を公開した。無人機（ドローン）で撮影された動画には、カメラを凝視する人物の姿が映っていた。
公開された映像は47秒。ドローンは壁の壊れた建物の2階に入り、がれきが散乱した部屋の内部を映し出す。奥にはほこりまみれのソファが並び、その一つに、布を顔に巻いた人物が腰掛けている。
シンワル氏とされるこの人物は、しばらく身じろぎもせずにドローンを見つめてから、座ったまま、長い棒をドローンに投げつける。
シンワル氏は昨年10月に戦闘が始まってから、地下トンネルの奥深くに潜伏を続けているとみられていた。イスラエル軍の攻撃から身を守るため、人質に囲まれて過ごしているとの報道もあった。
だが、イスラエルメディアなどによると、シンワル氏はガザ地区南部ラファで建物から建物へ移動している最中、イスラエル軍の地上部隊と遭遇。戦闘の末、2人のボディーガードとともに殺害された。周囲に人質はいなかった。
殺害時には現金4万シェケル（約160万円）と、国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）の教員のパスポートを所持していた。この教員はエジプトにいることが確認されている。【カイロ金子淳】
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