アメリカ大統領選挙のシリーズ「激戦州の現場から」です。南部ジョージア州では、勝敗の鍵を握るとみられている黒人有権者にある“変化”が生まれてます。
アメリカ南部・ジョージア州。特に黒人住民の割合が高い地域で、人口のおよそ3割を占めます。
記者
「副大統領候補の候補者討論会、ビューイング会場には多くの参加者がつめかけています」
これまで多くの黒人有権者がリベラルな民主党を強く支持してきましたが、その状況に変化が生まれています。
自慢の愛車は高級SUV。建設会社を経営するアザッド・アマーディさん(41)です。家族全員が民主党支持の家庭で育ちましたが、いまは…
黒人経営者 アマーディさん
「トランプ、間違いなく。ドナルド・トランプだ」
過去にはオバマ氏に強く期待し、2度投票しましたが、オバマ政権が推進した性的少数者の権利拡大などに失望したといいます。
黒人経営者 アマーディさん
「(オバマ政権時は)黒人にとって役立つ政策はありませんでした。トランプ氏のときは、ビジネスのコストがとても低かったですよ」
ただ、トランプ氏といえば…
共和党 トランプ前大統領
「国境から何百万人もの人が押し寄せて、『ブラックジョブ(黒人向けの仕事)』を奪っている」
人種と仕事を結びつけ、差別ともとれる発言で大きな批判を招きました。
アマーディさんは発言には不快感を示しますが、それでも「優先すべきは経済だ」と断言します。
黒人経営者 アマーディさん
「今は経済政策、中小企業支援、起業支援策を見て投票するのです」
実は、アマーディさんのように民主党支持から離れる黒人有権者がじわじわと増えています。
2008年の大統領選で民主党のオバマ氏は黒人の98%から票を獲得しましたが、続くクリントン氏は89%、前回のバイデン氏は88%と支持は下がり続けています。
先月の世論調査では、ハリス氏の支持率はそれをさらに下回る77%。トランプ陣営はさらなる切り崩しを狙っています。
民主党 ハリス副大統領
「私はすべてのアメリカ人のための大統領になることを約束します」
ただ、初の黒人女性大統領の誕生を期待する声も広がっています。
大学生 マクブライドさん
「自分より上の世代が扉を開くのを見ることで、私たち若者の世界観や目標は大きくなり、やりたいことが広がります」
今回、初めて大統領選で投票する大学生のレイチェル・マクブライドさん(20)。父親は黒人、母親はフィリピンからの移民です。
大学生 マクブライドさん
「ハリス氏はインド系で黒人、両方の経験をしてきました。彼女は(移民の国である)この国を象徴する人ですよ」
ジョージア州のトランプ氏とハリス氏の支持率の差は1ポイント以下。黒人有権者の選択はどちらに勝利をもたらすのでしょうか。
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