ドンバス地方の前線に置かれた対戦車障害物「竜の歯」(7月6日) Jose HERNANDEZ Camera 51-Shutterstock
<ソーシャルメディアで指摘されているように「破壊工作員による仕業」なのか?>
ロシアのクルスク州に対戦車障害物が置かれ、ウクライナ軍のドローンから逃れようとしていたロシア軍の兵士たちがこれに巻き込まれている、と報じられている。
【写真】衝突して車が大破...クルスク州の道路上に逃げ道をふさぐ「竜の歯」 夜間に何者かが設置
クルスク州は、ウクライナ軍が8月6日に侵攻し、数百平方キロを占領したと主張している地域だ。ソーシャルメディアユーザーらは、同州の道路上に「竜の歯」と呼ばれる障害物が何者かによって置かれたことを指摘している。これらは「破壊工作員」によって設置された可能性がある。
鉄筋コンクリートでできたピラミッド形の対戦車障害物は、戦車や機械化部隊の移動を妨げるもので、ウクライナの戦争ではよく見られる。
NATO加盟国のリトアニアは、ロシアによる安全保障上のリスクに対処するため、ロシアの飛び地であるカリーニングラード州付近に竜の歯を設置したと述べている。
しかし、クルスク州の障害物は、ロシア側の国境沿いでロシア軍が使用する道路上に夜間に設置されたと複数のテレグラムチャンネルが指摘している。
テレグラムチャンネルRustroyka1945は10月14日、「正体不明」の人物が竜の歯を設置したと23万人のフォロワーに向けて報告した。それは「FPV(一人称視点)ドローンから逃れようと車が時速150キロで走行していた避難経路上」に置かれていたという。同投稿では、「わずか1日で40人以上が死亡」したことが伝えられている。
Rustroyka1945はこれに続く投稿で、「情報機関が間もなく、破壊工作員と指揮官を見つけ出すだろう」と述べている。
XアカウントのWarTranslatedは、他のテレグラムユーザーたちがその危険性をどのように表現しているかを伝えたうえで、ロシア軍のフラストレーションが高まっていると述べた。
ある目撃者はこう述べている。「帰り道で危うくぶつかるところだった。暗闇の野原を通るリスクは避けたかったため道路を走っていた。2つ目の障害物は辛うじて回避した」
これらの障害物を誰が置いたかは不明だが、ロシア軍の妨害を目的とした破壊工作が相次いで報告されている。
ウクライナの国営通信ウクルインフォルムによれば、クリミアなどで活動を続ける親ウクライナのパルチザン組織アテシュは9月、クルスク州の前線で、ロシア軍に装備と弾薬を供給するために使用されていた鉄道線路を爆破したと述べていた。
WarTranslatedは、「妨害工作員の仕業ではないかという見方もあるが、これほど大きな障害物が人の手だけで設置されたはずがないことは明らかだ」と指摘している。そして、クルスク州のルィリスクで障害物に衝突して大破した車の画像も投稿した。
これは、8月6日にクルスク州への侵攻を開始したウクライナが占領した土地のうち、約4分の1をロシア軍が奪還したという報告が出てきた中での出来事だった。
ウクライナのオープンソース・インテリジェンス(OSINT)のテレグラムチャンネル、ディープステートは、ロシア軍がクルスク州で、10月14日までの5日間にわたって反撃を続け、約120平方キロを奪還したと報告している。
ウクライナ側は、ロシアがウクライナの前線から一部の兵士を移動させ、クルスク州に5万人の兵士を配置していると述べている。
(翻訳:ガリレオ)
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